Japan Brand Collection
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日本宝石特許鑑定協会
代表・工藤氏に聞く!vol.1
〜 今回のコラム 〜

- 「宝石投資」基礎の基礎 -
資産としての価値が高まる
「宝石投資」とは?【前編】

日本宝石特許鑑定協会
代表
工藤 直一 氏
〜 Japan Brand Collection 掲載歴 〜
茨城版 2017/2018
PREMIUM BRIDAL SELECTION 2020
〜 代表の紹介 〜
幼少期から目の不自由な父が海外から持ち帰る宝石や美術品に触れて育つうち、宝石について独学で知見を深め、二十歳の頃までには宝石の街・御徒町で修業。東京・日本橋で約 10 年間宝石の鑑定会社を営みながら、「もっと多くの人に宝石の魅力を伝えたい」との想いで 2008 年に宝飾店「KLANKA(ケーランカ)」をオープン。現在、東京・銀座のほか、茨城・つくば市と土浦市にも店舗を構え、宝石鑑定会社も経営する傍ら、テレビ局からの依頼で宝石についてのコメンテーターや宝石番組の監修にも携わっている。
ダイヤモンドは、劣化しにくく永遠をイメージさせることから、一生添い遂げることを誓う結婚指輪に使われることが多い定番の宝石です。では投資の対象として見たとき、ダイヤモンドの資産価値は永遠なのでしょうか?またダイヤモンド以外にも、投資対象たりえる宝石はあるのでしょうか?
今回は、日本宝石特許鑑定協会の代表であり宝石投資に造詣の深いKLANKA代表 工藤直一氏に、資産価値を高め利益を得るための「宝石投資」について伺いました。

■投資の対象となる宝石は、ダイヤモンド以外にもたくさんある
宝石投資はダイヤモンドに限らず昔からありますが、投資に適した宝石にはどのようなものがあるのでしょうか。
透明なダイヤモンドに対して、赤いルビー、青いサファイア、緑のエメラルドやヒスイなど、色がついた宝石は「カラーストーン」と呼ばれ、それぞれが投資対象になっています。
中でも投資をしやすいのはやはりダイヤモンドで、宝石商でもなかなかお目にかかれない貴重な「レアストーン」は世界中の富裕層の間でとても人気があります。(「レアストーン」の説明は【後編】で)
そして宝石の最大の特長は、世界中どこでも鑑定所に持ちこめばすぐに真贋やその石の価値が分かるということ。
一方、1kgの金(インゴット)をもし「偽物だ」と言われても、その場では証明できません。本当に証明しようとすれば、精錬所で溶かして調べなければならないからです。

■小売店でダイヤモンドジュエリーを買うのは投資ではない
「30万円で買ったハイブランドのダイヤモンドジュエリーを質屋で買い取ってもらったら、3万円にしかならなかった」――そんな経験をした方は意外と多いのではないでしょうか。
宝石に限らず、全ての商品を世に出すためにはコストがかかります。
例えば、ダイヤモンドジュエリーを小売店で販売するまでには、ダイヤモンド商社の利益、ジュエリーを制作するデザイン料と加工賃、加工会社の利益、小売店の利益などが計上された上に、小売店の運営にかかる固定費や宣伝広告費といったさまざまな経費を踏まえて小売価格が決められます。
「宝石投資」のポイントは端的に言えば、「高品質なものをいかに安く買うか」ということに尽きますから、実は「ハイブランドで一般的なダイヤモンドジュエリーを買った」という入口からしてすでに、「宝石投資」としては問題があったのです。

■ダイヤモンドは中古でも資産価値が下がりにくく、不況に強い
一方、手持ちのジュエリーを買い取りに出すと、買い取り価格は地金の重さや使われている宝石のその時の相場で決められます。
その際、使用されている宝石は石そのものの価格が査定されます。。中でもダイヤモンドの価値は中古や不況時でも下がりにくいです。 また価値が増したとしても課税されないのもメリットです。
しかしここで問題になるのが、宝石の適正な鑑定ができない買い取り業者も多いということ。そして残念ですが、利益を出すために安く買いたたく業者もいますから、高価な宝石であればあるほど信頼のおける宝石商の意見を聞きながら売買に臨むことをお勧めします。
宝石はダイヤモンドでもカラーストーンでも、最初に正しく目利きして購入することができれば、所有して十分に愉しんだ後も価値が担保されます。
次回は、資産価値を高め利益を得る「宝石投資」の実践的な方法についてご紹介します。