和味旬菜 京かのこ

写真は「夜の懐石コース」の一例。料理を華やかに演出する器は、気に入った作家にお願いすることが多いのだとか
遠き足利の地で味わう京懐石
四季折々の旬を五感で愉しむ
かつて新田・足利家の尊崇を受けてきた、栃木県足利市の伊勢神社。そのお膝元で20周年を迎える日本料理店〈京かのこ〉。可愛らしい響きの店名は、山野草の「京がのこ=かのこ草」から命名したもの。「親切」を意味するかのこ草の花言葉のように、今日も県内外から訪れるゲストを食で“お接待”する。
まずはお断りしておこう。同店は、大切な人とごゆっくり料理を愉しんでいただけるよう、2名からの完全予約制となっている。余裕を持ってお早めの予約をお薦めする。
2階へと続く階段を上り、暖簾をくぐると落ち着いた風情の和の空間が広がる。お座席は全室プライベートな空間を確保した、テーブル席または掘りごたつの個室をご用意。各個室は活け花や掛け軸等、和食店らしい季節のしつらえが施されている。
お品書きは昼夜ともコース料理が基本となる。例えば、ある日の「昼の点心コース」を見てみよう。伊勢神社の鮮やかな緑を借景にいだくのは、お出しするメニューは先付け、向付、お造り、口取り、炊き合わせ、土鍋のご飯、お椀、香の物、水菓子の9品。季節感を感じていただけるよう旬の食材を贅沢に使い、京料理らしく繊細で優美な盛りつけが施されている。当然、見た目だけではない。食材の旨味と甘味を引き出した上品な味つけは、「良いものを食べた」と感じさせてくれるだろう。
料理を手掛ける店主の森隆行氏は、幼い頃から中華料理店を営む父に連れられ、割烹料理店に出入りしていた。かねてより憧れていた和食料理の職人の夢を叶えるべく、東京の京料理店等で修業を積み、実家の改装を契機に同店を開いた。栃木でこれほど本格的な京懐石を食べることができるお店は少ない。歴史豊かな足利の街で、遠き古都の味を愉しむ。今の時代だからこそできる贅沢なのかもしれない。



旬を逃さず、全国各地から取り寄せた食材を余すところなく使用する。そのため、一期一会となる料理も少なくない

料理とのマリアージュを愉しめるお酒にもこだわる。ワイン、日本酒、焼酎等、幅広くラインナップ

店舗情報
和味旬菜 京かのこ
住所 | 栃木県足利市伊勢町2-4-29 2F |
電話番号 | 0284-43-1790 |
営業時間 | 昼 12:00〜14:00(最終入店 13:00) 昼 18:00〜22:00(最終入店 20:00) |
平均予算 | 昼 4,000円 夜 8,000円 |
定休日 | 日曜日、不定休 |