〈和料理 常陸の凡-bon〉がお客様をお迎えするのは、通りから少しばかり中に入った竹堀のある一軒家。目印になる看板はなく店先の小さな表札のみ、というまさに隠れ家的な名店だ。
店主・上保誠氏は、鎌倉の名門料理屋の門をくぐり、日本料理を一から学ぶ。そして、故郷である水戸に戻りいくつかの店を経験した後、自店を構えた。開業当初から大切にしているのは、お客様との出会いに感謝し、一期一会の想いを料理に託すこと。そして、店での時間を心から愉しみ寛いでいただくことにある。店内はわずか3卓のみのご用意となり、それは、引き立ての出汁にはじまり、焼きたて・炊きたてをお客様のお食事のペースに合わせての“出来たて”を大事にしたいという店主の温かな心から。「旬の奔り・盛り・名残りを宿す四季旬菜を囲み、まるでご自宅で寛ぐようにおいしいお酒を酌み交わしていただけたら、店主として最高の喜びです」とも。
お料理は、昼夜共にご予約にておまかせのコース料理をご提供。昼の席のみ御弁当スタイルの点心もお選びいただける。肉を中心に、あるいは魚を中心に…といった素材の好み、鍋やしゃぶしゃぶが食べたい…といったリクエストにも柔軟に対応してくれるので、ご予約時にどうぞ遠慮なくお伝えを。お食い初めや七五三、慶弔のご会食、顔合わせや宴会等、シチュエーションに応じた料理のご用意ももちろん可能。10名様までであれば貸し切りでご利用いただけるので、幅広いシーンで頼りになる存在だ。
同店はご自宅で凡の味を堪能できる仕出しや弁当にも注力し、炊き込みご飯やちらし寿司、天重、和牛すきやき重ねや出汁巻き玉子等、そのほとんどが2、3人前からご用意可能。市内・隣接地域には配達も可能というのもうれしい計らいだ。
ほど良い広さの店内はアットホームで居心地がよく、店主のもてなしと料理に心が和む。「いい時間、いい空間をありがとう」。食事を終えたその後に、幸せな気持ちになること請け合いである。
