創業寛永元年 小丸屋住井

「小丸屋サロン」では、表通りの喧噪を離れ、ゆっくりと団扇や扇子・工芸品をご覧いただける。岡崎エリアには、ロームシアター京都をはじめ、京都市美術館や京都国立近代美術館、京都市動物園などの文化施設、南禅寺や平安神宮などの寺院・神社が集まっているので、散策を楽しみながら訪れていただきたい
団扇や扇子を通して
日本の伝統文化を守る老舗
京都市岡崎の地に暖簾を構え、団扇、扇子、舞台小道具を扱う<小丸屋住井>が時の帝の命を受け、伏見深草の真竹を使った団扇づくりを確立したのは天正年間のこと。口伝による技術の継承からはじまる約400年もの歴史を有し、まさに団扇文化を担う宗家的な存在といっても過言ではないだろう。江戸時代、深草団扇の名は全国に知れ渡り、多くの団扇が愛用されていたことが当時の記録にも残されている。
以降、舞扇子や夏扇子、芸妓や舞妓の名をしたためた名入れの「京丸うちわ」を手掛けるようになり、代々の当主が芸事に造詣深く、日本舞踊のかづらや衣装、小道具類を多数所有していたため、戦後には「小丸屋小道具店」としても商いをはじめる。京都の春の風物詩である花街のおどり等の舞扇子や舞台小道具を担当するほか、日本全国の各流派師匠の舞踊会で使用する小道具を幅広く取り揃え、日本舞踊の狂言方「つけ打ち」として舞台進行の役割を担う等、伝統芸能である日本舞踊の舞台を支え続ける存在でもある。
「深草うちわ」や「京丸うちわ」は一本の竹を割いた骨を土台に、紙を貼り、乾かしたあとで鏨で一本ずつ叩き、うちわとして仕上げてくため熟練の職人でも完成までに数日かかる。とても丈夫であると同時に工芸品として価値も高く、扱う商品は全て職人の手作りによるオリジナル。書家による名入れも可能で、お祝や贈答品としても人気が高い。
工房社屋に隣接する「小丸屋サロン」は、ショールーム、貸ギャラリースペースを備え、団扇の仕上げ作業体験なども行っているので、是非その奥深さを体験いただきたい。
団扇や扇子から生まれる風は、肌にやさしく心地良い。そして日本の夏によく似合う。趣味の良さを物語る団扇や扇子の逸品を、是非ともあなたのお手元に。

伝統の深草うちわをベースに、名所図会を描いた上から彩色や金粉が施された「新深草うちわ」。地紙には神事等に使われてきた琵琶湖のヨシを使い、あおぐことで魔を祓う意味もある。

五花街の夏の風物詩・芸妓や舞妓の名入りの京丸うちわは、小丸屋が手掛けている

1本から名入れ可能な京丸うちわ

小丸屋住井 店舗の外観

日本刺繍、江戸型彫り、切り絵等、様々な技巧を使った団扇・扇子が並ぶ「小丸屋サロン」。いずれもここでしかお求めいただけない逸品である
店舗情報
創業寛永元年 小丸屋住井
住所 | 京都府京都市左京区岡崎円勝寺町91-54 |
電話番号 | 075-771-2229 |
営業時間 | 10:00~18:00 |
定休日 | 日曜日・祝日 |
ホームページ | http://komaruya.kyoto.jp/ |