有限会社鍋谷グラス工芸社

2つの色を重ねた特殊なガラス生地、手に食い込むほどの深いカット、圧倒的な重厚感と重量感―。既存の江戸切子の常識を覆す唯一無二の逸品「男のロック」 各132,000円
古きを継承し、新しきを創造する職人が生んだ
男の手に似合う重厚な江戸切子
江戸切子といえば、華奢で繊細な造りが一般的。手にするのはどちらかというと女性中心というイメージを覆す、男性に手にしてもらえる江戸切子に挑んだのが1949年に東京都大田区に創業の〈有限会社鍋谷グラス工芸社〉の3代目・鍋谷淳一氏。
鍋谷氏は、2009年に江戸切子の伝統工芸士となり、2018年頃から自社商品の制作に着手し、国内メーカーから加工依頼を受ける工房から、独自の製品を生み出す工房へと舵を切る。その礎となっているのは、先人からバトンを託された伝統を受け継ぎ、守り、さらに時代に合わせて昇華させていく“ものづくり”の信念だ。
鍋谷氏がガラスに2色を重ねて被せた、二重被せガラス生地を使用し、そのガラスの厚みを活かした深く大胆なカットと繊細な文様のカットを組み合わせてデザインした「男のロック」が従来の江戸切子のファンに衝撃を与えたことは記憶に新しい。今までにない重厚な味わいを持つ江戸切子は、国内はもとより海外からも絶賛される。素材には、日本最高峰の美しさと品質の高さを誇る厳選したクリスタルが使用され、そこに鍋谷氏の感性が加わることで、まさに江戸切子の新たな境地を拓く作品となった。
鍋谷グラス工芸社が目指すのは、作品を見た瞬間、手にした瞬間、唇に触れた瞬間に感動を与えられるものづくりに他ならない。現在は、伝統を受け継ぎ、新しい時代の江戸切子を生み出していく4代目・鍋谷海斗氏の作品も増え、既存の江戸切子の枠を超えた新しい江戸切子の研究に余念がない。道具の進化と共に硝子を削る技術も向上し、職人たちの努力と向上心により、鍋谷グラス工芸社は伝統を守りながらも確実に進化を続けている。日本酒にも洋酒にも—。古きを継承し、新しきを宿す江戸切子で、至福の一献をゆっくりとお愉しみいただきたい。

左右で異なる色を使った特殊なガラス生地に、惑星=プラネットをイメージしたデザインがカットされた作品。深くカットされた玉を覗くと、反対側の“プラネット”が映し出される。「プラネットロック」各94,600円

菊=喜来(喜びが来る)という想い、さらにそれが繋がっていくようにという願いを込めて菊繋ぎをカットした「大菊」。赤38,500円、クリア33,000円、他各36,300円

2つの異なる色を被せたガラスにカットされた花は、色の重なりにより妖しげな雰囲気を醸し出す。「妖艶ロック」各94,600円

グラスをカット中の手元。集中力と高度な技術を求められる繊細な作業だ。

3代目鍋谷淳一氏と息子で4代目となる鍋谷海斗氏。技術は確実に受け継がれている
店舗情報
有限会社鍋谷グラス工芸社
住所 | 東京都大田区南蒲田3-10-22 |
電話番号 | 03-3744-1882 |
営業時間 | 8:30〜17:30 |
定休日 | 日曜日、祝日(土曜日不定休) |
ホームページ | https://nabetani-glass.com/ |