株式会社 龍泉刃物

写真は同社直営店となる「ファクトリー&ストア」。館内正面には、福井を制作拠点とする国際的な墨絵アーティスト・西元祐貴氏による龍の墨絵が設置され、「龍泉刃物」の持つ研ぎ澄まされた美意識を表現。日本の伝統美とモダンな感性が融合する空間で、越前打刃物の逸品との出会いを存分にお愉しみいただける
研ぎ澄まされた切れ味と美しさ
越前打刃物の伝統を受け継ぎ現代へ
ブレード全体に浮かび上がる波紋やダマスカス模様と称される独特の縞模様。その極限までに研ぎ澄まされた美しさに息をのむ。
時を遡ること700年。南北朝時代の1337年に、京都の刀匠 千代鶴国安が現越前市に来訪し、近郷農民のために鎌を作ったことに始まった「越前打刃物」。ご紹介する〈龍泉刃物〉は、この越前打刃物の雄として70年。研磨士として業界随一の腕を誇った増谷等氏を初代に持ち、2代目・浩氏の代には産地内でいち早くステンレス鋼の製品化を進め、一般家庭用包丁の分野に着手した経緯を持つ。
越前打刃物の伝統的な手法を用い、手仕事にこだわり続ける同社の製品は、最高級のステンレス鋼を素材に鍛造による強靭さを備えたまさに逸品。10工程以上のバフ研磨作業等、熟練の職人たちによって一丁一丁丁寧に仕上げていくスタイルを守り続け、その切れ味は言うまでもなく、見た目の美しさにもこだわり抜くことが信条だ。
現在は3代目・浩司氏のもと、新商品の開発や新たなブランディングが進み、包丁だけではなく、ステーキナイフやショコラナイフといった新しいプロダクトも誕生している。2013年には権威あるフランスの料理大会「ボキューズドール」にて、日本代表が使用した同社のステーキナイフが一躍有名になったことは記憶に新しい。
2019年には工場のある敷地内にファクトリー&ストアがオープンし、内装には地域の伝統産業である越前和紙や越前箪笥を取り入れる等、福井の魅力をトータルに感じることができる空間が人気を呼んでいる。ストアでは実際に手に取って包丁の試し切りができるので、有名ホテルやレストランで愛用される龍泉刃物の切れ味と洗練された美しさを、ぜひご自身でお確かめいただきたい。


仕上げの刃付けの作業風景。これらの技術は700年続く越前打刃物の貴重な技術として、職人から職人へとしっかりと受け継がれてきたものだ。龍泉刃物にはこの技を擁する熟練の職人が多数在籍している

鍛造で素材を包丁の形に伸ばす作業風景。

本鍛造技術で鍛え上げられたダマスカスのブレードと、握り心地を追求したオリジナルの楓ハンドルが目を引く「風格龍 和」シリーズ。ATS314鋼を採用した包丁は龍泉でしか手に入らないもので、切れ味と美しさ共に一切の妥協がない逸品だ 24,200円~46,200円(税込)

4点セットのカトラリー「トライア」は、2021年登場の新商品。統一感のある美しいデザインで、ご家庭でのデザートタイムを優雅で特別なものにコーディネート4点セット27,500円(税込)
店舗情報
株式会社 龍泉刃物
住所 | 福井県越前市池ノ上町49-1-5 |
電話番号 | 0778-23-3552 |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
定休日 | 日曜日、第2・4土曜日、祝日 |
ホームページ | https://ryusen-hamono.com/ |