湯けむりの宿 稲住温泉

自家源泉から温泉がこんこんと湧き出て湯船を満たす大浴場。目の前の緑が映り込むさまはまるで一枚の絵画のようである
文人墨客に愛された昭和の名宿が
令和元年に上質な湯宿として復活
秋田・宮城・山形の県境に近い「秋の宮温泉郷」は、1702年に開湯した秋田県内最古の温泉郷。豊かな自然に包まれ、山懐に抱かれるように佇む〈湯けむりの宿 稲住温泉〉は、一万坪という広大な敷地の中に、露天と内湯を備える大浴場と2つの貸切風呂、離れ4室を含めた49の客室を備え、2019年11月にオープン。ここは元々118年の歴史を持つ昭和の名宿「稲住温泉」のあった場所。これまでにも数多くの文化人や著名人たちに愛されてきた宿を引き継ぎ、高級湯宿としてリニューアルされ復活したのだ。
客室の中でも、「天の坐」と名付けられた4つの離れは、専用テラスを備え、昭和の名建築家が細部にまでこだわり抜いて手掛けた匠の技を堪能できる空間。木をふんだんに使った和モダンの落ち着いた室内からの眺めも素晴らしく、源泉掛け流しの湯に浸かりながら非日常の世界を堪能していただける。
またここ稲住温泉は、泉質と効能の異なる2つの自家源泉を持つ湯宿。「荒湯」と名付けられた露天風呂を含む大浴場と貸切風呂は、pH3・5の単純泉。「里の湯」と名付けられた客室の内風呂や露天風呂は、pH7・1の塩化物泉で、こちらは保温力が高く湯冷めしにくいと言われる湯である。就寝前に浸かれば心地良く眠りに就ていただけるだろう。
食事処「仙楽」で用意されるのは、秋田の旬の食材を使った和会席。料理人渾身の料理の数々はどれも四季を宿し、目にも美しい。山海の幸に舌鼓を打ちながら、秋田の美酒と共に、時を忘れてゆっくりと味わっていただきたい。
都会の喧騒から離れた静かな山間で、こんこんと湧き出る2種類の湯を愉しみながら、秋田の滋味溢れる美味を味わうここ〈湯けむりの宿 稲住温泉〉は、故郷のようにきっとまた訪れたくなる名宿である。


縦格子の建具に和紙の照明が、凜とした趣さえ感じられるエントランスロビーは、これから始まる極上の時間を予感させる


上の写真は4部屋用意されている離れ「天の坐」の1室「嵐亭(RAN-TEI)」。和室とローベットを配したベッドルームに、内湯と露天風呂を備え、いつ訪れても美しい自然に包まれて、心静かに過ごしていただける。広い庭へ面したウッドデッキからの眺めは、旅行雑誌の表紙を飾ったこともある


眼下に清流・荒湯川が流れる露天風呂は2つの湯殿が用意され、男女入替制でどちらも愉しめる。雄大な自然に包まれながら他にない開放感を味わえる


夕食は、秋田の食材をふんだんに使い、郷土料理も取り入れられた和会席。県内各地から取り揃えた地酒と共に、酒食のひと時をどうぞごゆっくり
店舗情報
湯けむりの宿 稲住温泉
住所 | 秋田県湯沢市秋ノ宮字山居野11 |
電話番号 | 0183-58-1300 |
宿泊料金 | 2名様の場合 1名様 31,900円〜 (1泊2食付、税込、入湯税別途、平日料金) |
ホームページ | https://www.hotespa.net/hotels/inazumi ※ご宿泊は中学生以上のお客様のみとなります |