能作

職人の手作業で作り出される「ベル」は、1つひとつ音色が違い、2つと同じものはない。鋳造・加工技術を生かし、現代のライフスタイルにもしっくりと馴染むデザインが秀逸だ。介護用に使いやすいナースベルや誰でも音の出しやすいベルトタイプもある
高岡の伝統産業・鋳物を通して
“こと”や“こころ”を伝える老舗
1609年、時の加賀藩主・前田利長によって開かれた高岡の町。商業の振興を政策とした利長が開町から2年後に7人の鋳物師を招いたことにより幕を開ける高岡銅器の歴史は400年を超える。その伝統を礎とし、新たな鋳物の世界を創造する〈能作〉をご紹介しよう。
創業当初は伝統の鋳造技術を使って、仏具、茶道具、花器を中心に製造していた同社では、時代に即した製品を徐々に展開するようになり、現在ではテーブルウェア、インテリア雑貨、照明器具や建築金物をはじめ医療機器も手掛ける等、分野を超えたモノづくりに挑む老舗である。製品には大きく分けて錫(すず)と真鍮のラインがあり、素材・技術とデザインをキーワードに、デザイナーとのコラボレーションも積極的に展開。美しさと同時に良いものを丁寧に使う愉しさも教えてくれるのが〈能作〉の製品だ。
同社では、高岡の誇る鋳物製造の担い手として、製造販売だけでなく、“こと”“こころ”を伝える事業にも積極的に取り組んでいる。2017年竣工のフォトジェニックな新社屋・工場は、地域の産業観光の拠点として年間12万人が訪れる人気のスポットに。受け継がれる技術・職人の志を、五感で感じることのできる工場見学、大人からお子様まで愉しむことのできる鋳物製作体験をはじめ、地元の食材を使った料理が〈能作〉の器で供される眺めの良いカフェもあり、まさに鋳物のテーマパークさながら。県外はもちろん、海外からのお客様をご案内しても、お喜びいただけることだろう。
器、インテリア雑貨、名入れの記念品やギフトまで。新しい感性で伝統を繋ぐ〈能作〉の鋳物が、日々の暮らしに上質な彩りを添えてくれる。


本社工場にはカフェやショップも併設されている。ショップでは、解放感あふれる明るい空間に白木を使ったモダンな什器に製品が美しくディスプレイされ、まるで美術館を訪れたかのような上質な空間でゆっくりとお買い物を愉しめる



製品のできる過程を熱・音・匂いといった臨場感溢れる現場で見学できる工場見学、職人と同じ技法で錫のぐい吞等を製作できる鋳物製作体験は、観光で訪れるお客様からも人気のプログラム。季節のイベントも随時開催されている
店舗情報
能作
住所 | 富山県高岡市オフィスパーク8-1 |
電話番号 | 0766-63-5080 0766-63-0001(工場見学・製作体験のご予約) |
営業時間 | 10:00〜18:00 9:30〜17:00(工場見学) |
定休日 | 年末年始 (工場見学は日・祝、月により土曜日) |
ホームページ | https://www.nousaku.co.jp |