藤豊工業所

世界の目利きを唸らせる高度な技術で
末永く愛せるクロコダイルレザーの魅力を発信
1950年、墨田区に創業した〈藤豊工業所〉は、爬虫類専門タンナーとして絶え間なく技術を磨き続けてきた。そして時は流れ、世界最高峰の素材見本市「プルミエール・ヴィジョン・パリ」の厳格な品質審査を通過し、初出展を果たしたのが2019年のこと。メゾンブランドの関係者が行き交う巨大な会場。その片隅に設えた小さなブースでもっとも注目を集めたのは、同社が長年かけて完成させた「クロコダイルのヌメ革」だった。
タンナーとは、生の皮を安定した“革”に加工する革製造メーカーのことだが、クロコダイルを扱えるタンナーは、同社を含めて世界でも20社程度。密度の高い特殊な繊維構造が特別な美しさをつくる一方で、正確に染め上げるには、薬剤の繊細な調合技術が要される。そんな理屈は抜きにしても、“水染め”のみで仕上げた革を見れば〈藤豊工業所〉の技術力は一目瞭然。顔料に頼ることなく、水溶性の染料のみで繊細な色調を正確に表現するスキルは、これまでも多くの革のプロを唸らせてきた。クロコダイル革の滑らかな手触りもしっかり表現されている。
植物のタンニンでなめすクロコダイルのヌメ革も、最近になって、存在感を高めている。輝きや華やかさが少ない分、クロコ革本来の本質的な貫禄と繊細な風合いがより強く発揮される。天然の薬剤は扱いが難しく、納得のいく品質に到達するまでに20年の歳月がかかった。
これまでは、そうして丹精した革を製品に仕立てて他社ブランドに提供する、いわば黒子に徹してきたが、「いつか作り手の立場でクロコ革の価値を直接伝えてみたい」という想いがあった。そうして千葉県・柏髙島屋に初の直営店をオープン。財布やバッグはもちろん、クロコ革の堅牢性を生かした小さな家具も開発。いずれも革の質感を生かす、飽きの来ないシンプルなデザインが特徴的だ。大事に扱えば、その艶を深めながら軽く数十年は美しさを保ち続けるだろう。





店舗情報
ショップ藤豊工業所
住所 | 千葉県柏市末広町3-16 柏髙島屋 本館6F 紳士服・雑貨売場 |
電話番号 | 04-7144-1111(代表番号) |
営業時間 | 10:30〜19:30 |
定休日 | 元日 |
ホームページ | https://fujitoyo.co.jp/ |
※営業日、営業時間は変更になる場合がございます。 最新の情報は柏髙島屋HPをご覧ください |
藤豊工業所
住所 | 東京都墨田区東墨田3-17-13 |
電話番号 | 03-3618-2414 |
※工場見学は承っておりません |