西陣くらしの美術館 冨田屋

座敷から眺める坪庭は四季折々に美しく、心を穏やかにしてくれる
130年の時を生きる町家で
本物の京都の文化を体験
ご紹介する<西陣くらしの美術館 冨田屋>は、国の登録有形文化財である町家で、本物の日本文化を提供する国内唯一の施設として、多彩な体験型プログラムを用意し、国内外から訪れるゲストに京の文化を伝えてくれる。着物を着てのお茶会体験等、手ぶらでお越しいただけば、着付けもすべてお任せを。他にも、折り紙、書道、華道、香道、昔遊びや舞妓ディナーをはじめ、日本のしきたりや町家での四季折々の暮らしの行事を体験できる企画もあり、海外からのお客様をお連れしても、必ずやお喜びいただけることだろう。
清明神社の西隣。伏見で両替商を営んでいた<冨田屋>が、西陣産地問屋システムを作り上げ現商家を建てたのは明治18年のこと。屋敷は国の登録有形文化財にも指定され、現在は13代目当主がその伝統と歴史を守る。通りに面した間口八間を有する店舗構えから、奥へ奥へと広がる空間は町家ならではの構造で、蔵や坪庭、茶室をはじめ、能が舞われた離れ座敷、さらには、十メートルの赤松の廊下等、西陣商家の秘めたる暮らしぶりに圧倒される。が、何よりも素晴らしいのは、歴史と暮らしを伝える「生きた町家」ということにある。
現在の京都の礎・平安京の遷都は794年のはるかな昔。けれど、1200年を超える時を経た今も、神仏を心に持ち、物を大切に敬い奉る精神は市井の人々の暮らしに深く根付く。炊き立てのご飯と井戸水をそれぞれの神様に供えることから、一日をはじめる習慣が息づく古都。京都では暮らしそのものが文化なのである。
眺めるだけの京都から、生きた京都へ。五感で体験する、あなただけの京都を“くらして”ほしい。

木材にこだわり、主が自ら山に入って選び抜いたという赤松の廊下。切れ目のない十メートルという長さは非常に希少だ

庭に氷を入れた桶を出し、涼を呼ぶ。これも暑い京都を涼しく過ごすための昔ながらの知恵だ

茶室では、初めてのかたでもご参加いただける茶室体験といった体験プランが用意されている。正式な茶室の設えをご覧いただける貴重な機会となることだろう

女将の田中峰子氏は、富田屋13代目の店主として暖簾を守る。大学での講師や、各団体の講演活動をはじめ、家業だけではなく京都の文化の伝播に寄与する活動にも力を注いでいる

6月は町家全体も衣替え。襖を簾に変え、畳にはあじろを敷いて涼を呼ぶ。このような季節の「室礼」を体験するプランもご用意
店舗情報
西陣くらしの美術館 冨田屋
住所 | 京都府京都市上京区大宮通一条上ル |
電話番号 | 075-432-6701 |
営業時間 | 9:00~18:00(17:00まで受付) |
定休日 | 1月1日 |
ホームページ | http://www.tondaya.co.jp |
受付e-mail | info@tondaya.co.jp |