馳走 筏や

写真は身返し鰻。身返し鰻とは、鰻の形はそのままに骨だけを抜く高度な技術が必要な調理法。鰻は岡山県の児島湾で取れた天然の青うなぎ
ここに来れば間違いなし
極上の日本料理と美酒を味わう桐生の名店
ご紹介するのは〈馳走 筏や(いかだや)〉。桐生に日本料理の隠れた名店ありと謳われる知る人ぞ知る味処。板場に立つ店主今井雅文氏は、そんな評判に一切奢ることなく、日々真摯に食材と向き合う料理人だ。
春の筍、夏の鱧。秋には松茸。蟹や河豚を味わう冬。いずれの季節も、その時期にしか味わうことのできない極上の素材を日本各地から仕入れて仕上げる料理の数々は、目に美しく舌には美味しい四季の恵み。
今井氏の信条は、その素材に足りないものをわずかに足すということにある。だからこそ素材を選び抜き、出汁にこだわる。決まったお品書きはなく、おまかせ料理をコース仕立てにするスタイルは、その季節、日によっても入る食材が異なるからに他ならない。
夜のコースは8千円から5千円刻みで自由に設定していただけるが、いずれの場合も先付けからデザートまで10品前後という充実ぶり。また、日本酒や和食に合う白ワインも目利きのものが揃っているので、運転の心配なき方は、ぜひ一献傾けていただきたい。
2021年で開店から11年。地元はもちろん、遠方からも足しげく通うファンを持ち、料理はもちろん、お酒もおまかせでという方も少なくない。ただし決して押し付けではないので、リクエストはどうぞ遠慮なく。
店内は、6名様分のカウンター席と個室のご用意があるが、カウンター席が決して常連様専用席ではないことも言い添えておこう。逆に初めて来店された方こそ、カウンター席をおすすめしたい。何気ない会話から好みを引き出し、お食事の速度など、きめ細かくさり気なく気を配ってくれるので、ゆっくりと美酒と美食を愉しんでいただきたい。
さあ、今日はどんな料理が出てくるのだろう…と思いめぐらすひと時の何と幸福なことだろう。大切な方を伴ってどうぞあなたも。

一夜干しにしたぐじの椀物

焚合せ、聖護院蕪、富田林の海老芋、明石の蛸柔らか煮、大分の天然車海老

自家製唐墨

北海道仙鳳趾(せんぽうし:釧路の近く)産牡蠣の土鍋ご飯

カウンター席では、店主の無駄のない動作を見ながら、時には会話も交えながら、料理をご堪能いただきたい

店舗情報
馳走 筏や
住所 | 群馬県桐生市広沢町間ノ島389-1 |
電話番号 | 0277-46-8814 |
営業時間 | 昼 12:00〜14:00 夜 18:00~22:00 |
平均予算 | 昼 8,000円 夜 18,000円 |
定休日 | 水曜日、第3火曜日 |
※昼・夜共に完全予約制 |