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【ブライトリング、カルティエほか】ポストヴィンテージ世代の名作が再び業界を席巻する? いまだからこそ新しい“チョイ古時計”

 時計界でも過去の名作の復刻は、いまやひとつのジャンルを形成しているが、対象となる年代は年々拡大している。
 それを物語っているのが、今年各社から発表された新作だ。

 ブライトリングは1980年代に登場したルーローブレス付きのクロノマットに再解釈を加えてコレクションを再編。そしてカルティエでは、しばらくレディースのみだったパシャにメンズ向けモデルを復活させた。
 いずれも90年代に人気を得ていたモデルで、懐かしく思う人も多いだろう。
 一方で、80〜90年代というといまから実に20〜30年も前のこと。ひと昔前といっても過言ではなく、当時を知らない人も結構いる。
 そうした人から見れば、当時のモデルの復刻系は新鮮に映るのではなかろうか。

 復刻版も気になるが、オリジナルを知ることも重要。ということで、今回はかつて人気だったチョイ古モデルを厳選して紹介しよう。



BREITLING(ブライトリング)
クロノマット 10周年記念モデル

■Ref.A13050。SS(40mm径)。100m防水(当時)。自動巻き(Cal.13)。参考実勢価格約20万〜約40万円

 1983年、イタリア空軍のアクロバット飛行チーム“フレッチェ・トリコローリ”のために製作され、84年に市販化されたクロノマット。本モデルはその10周年記念で製造された1994本の限定モデルだ。ムーヴメントはクロノメーター認定ではないものの、ETAのCal.7750ベースで信頼性は高い。

 実用であれば2000年以降のクロノマットも良いが、いま狙うなら新作で復活を遂げたルーローブレス付きのモデルが良いだろう。フランス語で筒型を意味する“ルーロー”という言葉通り、筒状のコマを持つルーローブレスは、ユニークな見た目だが、コマの動きは滑らかでフィット感は高い。旬というのもあるが、着け外ししやすく装着感に優れるという実用面でもオススメだ。

 

ZENITH(ゼニス)
レインボーフライバック エル・プリメロ

■Ref.02.0480.405/24。SS(40mm径)。100m防水(当時)。自動巻き(Cal.405)。参考実勢価格33万〜40万円

 フランス空軍の協力で開発され、1997年に発表された自動巻きフライバッククロノ。
 レインボーは92年から登場していたが、その名を一躍有名にしたのは上位機種として登場した、このレインボー フライバックのヒットによるところが大きい。

 

BLANCPAIN(ブランパン)
トリロジー フィフティファゾムス

■Ref.2200-1130-71。SS(40.3mm径)。300m防水(当時)。自動巻き(Cal.1151)。参考実勢価格50万〜60万円

 1998年に登場したブランパンのトリロジーコレクション。96年当時、ブランパンにムーヴメントを供給していたフレデリック・ピゲがGMTムーヴメントを開発したのをきっかけにGMT=陸、ダイバーズ=海、クロノグラフ=空のイメージをまとめて誕生した。

 

CARTIER(カルティエ)
パシャ オリジナル 38mm

■Ref.W31040H3。SS(38mm径)。100m防水(当時)。自動巻き(Cal.191)。参考実勢価格22万〜32万円

 1985年から登場したパシャ。数種類のサイズで展開されていたが、フレデリック・ピゲ(後にジラール・ペルゴ)のムーヴメントを搭載した38mmが特に評価が高い。なお、パシャは様々な派生モデルが展開されたが、いつしか回転べゼル付きが“オリジナル”と呼ばれるようになった。

 

文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修

 

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