飛距離が落ちたり曲がりの幅が大きくなることでアマチュアゴルファーを苦しめる“アゲンスト”の風。ついついスコアも落としがちだが、いったいどう攻略するのが正解? プロキャディ・伊能恵子にアゲンストを攻略する考え方を教えてもらった!

とくに、100を切って90切りを目指しているといったゴルファーの方は、ある程度ショットが打てているけど、ちょっとしたミスが重なって80台を出せていないというケースが多くあると思います。そのひとつが“アゲンスト”での考え方ではないでしょうか。

先日参加した、アマチュアの方とラウンドするイベントでのこと。その日は風がとても強くて、あるホールはティーイングエリアから超アゲンスト。でもアマチュアゴルファーって、アゲンストになればなるほど、すごく一生懸命になって振る人が多いですよね。風に負けちゃいけない、いつもより飛ばないからその分、と思って一生懸命振る……だけど、それって逆効果なんです。

画像: アゲンストのホールで一生懸命振っても逆効果。リズムよく振ることがポイントだと伊能はいう

アゲンストのホールで一生懸命振っても逆効果。リズムよく振ることがポイントだと伊能はいう

風に負けないように“ブン”って振った瞬間、スピン量が増えて、ボールは吹き上がる。その結果、よりボールが風に負けて飛ばないというわけなんです。先日のイベントでも風に落とされないように一生懸命振った人は右の林に入ったり、チーピンして左の林に打ち込んでしまっていました。

ティショットの目的は「次が打てるところにボールを運ぶこと」なので、これはやっちゃいけないミス。心当たりのあるゴルファーは少なくないのではないでしょうか?

最初に伝えてあげればよかったとも思ったんですが、また違うホールで凄いアゲンストだったときに「スウィングはどうでもいいから、リズムだけ大事に打って」と伝えたら、なんと全員ナイスショット。どうしてナイスショットだったかというと、どこも力まず打っているからです。そうすると、アゲンストっていってもそこまで極端に飛距離は落ちないものです。

画像: 古閑美保、片岡大育らのキャディを務めた伊能恵子。江戸時代に日本地図を作った伊能忠敬の子孫としても有名(写真は2017年のダイヤモンドカップゴルフ 撮影/姉崎正)

古閑美保、片岡大育らのキャディを務めた伊能恵子。江戸時代に日本地図を作った伊能忠敬の子孫としても有名(写真は2017年のダイヤモンドカップゴルフ 撮影/姉崎正)

これはセカンドでも同じことで、アゲンストで風に負けないように一生懸命振るのは良くありません。じゃあどうするかといえば、番手を上げればいいだけ。

このときにポイントとなるのは何番手上げられるかということ。自分の距離を過信していると、風が強いのに1番手しか上げないで、その結果、手前のバンカーに入ってしまうっていうケースも多くあります。

アゲンストが強いなと感じたら、ちょっと大きいんじゃない? と思えるくらい2番手大きめのクラブを持ってゆっくりリズムだけ意識して打つほうが、絶対に安全。グリーンセンターか、ちょっと飛びすぎてグリーン奥でも乗ればOK。乗らなくても次、アプローチできるところならOKと考えるべきだと私は思います。

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