サンフランシスコ・ベイエリアの家賃が急落…在宅勤務の導入などで需要が低下

都市脱出が増加?SFベイエリアの家賃が急落

サンフランシスコにあるスタートアップの社屋の屋上。2019年撮影。

Katie Canales/Business Insider

  • サンフランシスコ・ベイエリア全体で、家賃が急落している。
  • 例えばサンフランシスコでは、家賃が前年比で9.2%下がっている。
  • この変化は、COVID-19のパンデミックでシリコンバレーの生活が変化していることによる。
  • テック企業のオフィスは閉鎖されて在宅勤務が導入されている。そしてこの地域では何千人もの人が職を失った。
  • 今後、従業員は柔軟な働き方を選択してより安い地域を選ぶことが考えられる。この地域の不動産の需要と価格が下がるかもしれない。

複数の調査で、COVID-19のパンデミックによって在宅勤務が導入された影響で、サンフランシスコ・ベイエリアからテック企業の従業員の流出が起こる可能性が示唆された。

不動産賃貸サイトZumper直近のデータは、シリコンバレーの従業員たちが実際に荷物をまとめこの地域を出ていき、高額の家賃で悪名高いこの地域の需要が低下している明確な証拠を示している。

サンフランシスコ・クロニクル(San Francisco Chronicle)によると、Zumperのデータで、テック企業の最も高給な人々が暮らすベイエリアでは、1ベッドルームの部屋の家賃が最も落ちているとわかった。Zumperのウェブサイトにはまだ公開されていないが、Business Insiderが確認した同社のデータによると、グーグル(Google)本社があるマウンテンビューでは2019年5月以降、家賃が15.9%下がった。同じく、フェイスブック(Facebook)の本社があるメンローパークは14.3%、YouTubeが拠点とするサンブルーノは14.9%下落している。

Zumperによると、サンフランシスコの1ベッドルームの平均家賃は現在3360ドル(約36万5000円)。これは昨年同期比9.2%のマイナスで、2017年初頭以降で最低の価格だ。

このデータは、多くのテック企業が従業員にリモートワークを導入し、テック業界や他業界でも多数の人々が解雇されている中で発表された。

サンフランシスコのミッドマーケット地区を拠点とするツイッター(Twitter)では5月中旬、ロックダウン解除後も希望者は在宅勤務を継続できると従業員に通知した。グーグルやフェイスブックなどは、オフィスはまもなく再開するが、秋頃までは在宅勤務が可能だと従業員に伝えている。

「ベイエリアの住人の多くは他地域からの移住者で、サンフランシスコの家主は、もうそこを拠点とする必要がなくなった賃貸人が去っていくのを知っている」と、サンフランシスコ・アパートメント協会のチャーリー・ゴス(Charley Goss)はサンフランシスコ・クロニクルに語った。

テック企業の従業員は、高い生活費や住居費にうんざりしており、テキサス州オースティンなどの、より安い場所に転居していると、何年も前から言われてきた。

新型コロナウイルスのパンデミックが、このようなこの人々の移動を加速させているのかもしれない。

Business Insiderですでに報じた通り、ソーシャルネットワーキングサイトのBlindがこの地域の数千人の技術者を対象に調査を行ったところ、回答者の3分の2が、もし在宅勤務が許可されるならベイエリアを離れることを検討すると答えた。

だが、人口密度の高いサンフランシスコからベイエリアの他の地域への脱出も考えられる。調査会社のMoodyによると、シリコンバレーの中心にあるサンノゼなどは、過密化した地域からの住民流入を受け入れるのに最適な都市の一つと見られている。

[原文:Rent in the San Francisco Bay Area plummeted in May as the tech region braces for a potential mass exodus

(翻訳:Makiko Sato、編集:Toshihiko Inoue)

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