- ナショナルジオグラフィックは「2020年に行くべき場所」トップ25を発表した。
- 文化、都市、自然、アドベンチャーの4部門で構成されている。
- 選考に当たっては、世界17地域に広がる「ナショナル ジオグラフィック・トラベラー」誌の編集チームの協力のもと、世界各地からさまざまな場所を推薦している。
- アメリカからは、都市の部門でフィラデルフィア、自然ではグランドキャニオン国立公園が推奨された。日本からは東北地方が推薦されている。
ナショナルジオグラフィック誌は「2020年に行くべき場所」トップ25を発表した。このリストは、より持続可能性のある観光を推奨する同誌の取り組みの一環で、世界各地のさまざまな場所を取り上げている。選考に当たっては、世界17地域に広がるナショナルジオグラフィック・トラベラー誌の編集チームの協力のもと、文化的な取り組み、多様性、重要性、訪れやすさ、コミュニティへの貢献など、さまざまな要素が考慮された。
リストは文化、都市、自然、アドベンチャーの4部門で構成され、それぞれの場所について、おすすめの過ごし方が紹介されている。
どのような場所がランクインしているのが見てみよう。以下のいくつかの写真は、ナショナルジオグラフィック誌の「ベストトリップ2020」からの引用となる。
ザクマ国立公園:チャド
この公園はサハラ砂漠南部に位置し、多くの野生動物が生息していることで知られる。象の密猟を防ぐために思い切った手段を取ったことで、過去10年の間に同公園で密猟された象は、わずか24頭まで減少した。さらに、これまで長い間減少傾向にあった生息数が、今では上昇に転じている。
他にもレイヨウ、シカレイヨウ、キリン、バッファロー、サイが生息する。
Source: African Parks
カムチャツカ半島:ロシア
ロシア東部のカムチャツカ半島を縦断する2つの山脈には、127の火山があり、そのうち22は活火山だ。他にも間欠泉、温泉、多数の川や湿地がある。この地域は、厳しい冬と冷涼で湿気の高い夏で知られる。コリャーク、チュクチ、イテリメン(カムチャダール)などの先住民族の居住地となっている。
Source: Britannica
ウェールズ・ウェイ:イギリス
ウェールズ・ウェイとは、ウェールズを旅する3つのルートの総称。それぞれのルートで、まったく異なる体験をすることができる。ノース・ウェールズ・ウェイはウェールズ北海岸沿いの古い貿易ルート、カンブリアン・ウェイは山岳地帯を進むルート、コースタル・ウェイはカーディガン湾を臨むいくつもの美しいリゾートタウンを通るウェールズ西海岸沿いのルート。
Source: Visit Wales
グロースグロックナー山岳道路:オーストリア
山岳地帯の牧草地の間を通るこの道路は、オーストリアの最高峰のグロースグロックナー山(3798メートル)にちなんで名づけられた。オーストリア・アルプスの美しい風景を眺めることができる。
Source: Grossglockner
タスマニア:オーストラリア
豊かな歴史と文化にあふれたタスマニア島は、オーストラリアで人気の観光地の1つ。海岸沿いには美しいビーチが広がり、内陸には山もある。タスマニア州の州都ホバートには、アートと建築を組み合わせたミュージアム・オブ・オールド・アンド・ニュー・アート(MONA)があり、活気に満ちたアートシーンが展開している。MONAにはワイナリーや高い評価を得ているレストランも併設されている。
Source: Australia
グランドキャニオン:アメリカ
アメリカで最も有名な国立公園の一つ、グランドキャニオン(アリゾナ州)は、息をのむほどに美しく、彩り豊かな大地の浸食を見ることができる。
Source: National Park Service
モルディブ
インド洋に浮かぶこの美しい島々では、真っ白いビーチを楽しむことができる。文化的にはインド、スリランカ、アラブ、北アフリカの伝統を引き継いでいる。1987年以降は、気候変動に関する警告を率先して発信している。
Source: Visit Maldives
カナリア諸島:スペイン
カナリア諸島は有名な島がいくつもあり、観光客に人気が高い。火山灰の土壌にはバナナ、オレンジ、コーヒー、サトウキビ、ナツメヤシなどが育つ。カナリア諸島は東西2つのグループに分けられる。西側はテネリフェ島、グラン・カナリア島、ラ・パルマ島、ラ・ゴメラ島、エル・イエロ島、東側はランサローテ島、フエルテベントゥラ島、その他6つの小島で構成される。
Source: Britannica
ナショナル・ブルー・トレイル:ハンガリー
世界中の冒険家が、この登山道に惹きつけられている。1979年にこの登山道に関するドキュメンタリーが撮影されてから有名になった。
Source: Outdoor Active
ビャウォヴィエジャの森:ベラルーシ/ポーランド
ポーランドとベラルーシの国境にまたがる美しい森は、生物の多様性で知られている。ヨーロッパバイソンの最大の生息地でもある。森は1428平方キロメートルにわたって広がり、ナショナルジオグラフィック誌は「ヨーロッパ最後の野生の地」と呼んでいる。
Source: World Heritage Centre
カラハリ砂漠:アフリカ南部
この砂漠はボツワナ、ナミビア、南アフリカにまたがって広がる。400種以上の植物が分布し、ライオン、ヒョウ、チーター、オリックス、ミーアキャット、さらにはアフリカ最大のアンテロープであるエランドなど、多くの野生動物が生息している。
Source: I Travel To
マドレーヌ諸島:カナダ
マドレーヌ諸島は8つの島で構成され、それぞれに独特の文化があり、ユニークな体験ができる。マドレーヌ諸島近郊のセントローレンス湾の氷上では、愛らしいタテゴトアザラシの赤ちゃんを見ることができる。
Source: Tourisme Iles de la Madeleine
プエブラ:メキシコ
メキシコ第4の都市、プエブラは、350以上の教会と美しい建築で知られる。サント・ドミンゴ教会(上の写真)は金箔で美しく装飾されたバロック建築だ。プエブラはメキシコの伝統的な観光地の中でも際立った存在だ。
Source: CNN
パルマ:イタリア
この街は食文化、特にチーズや生ハムで有名だ。また多くの博物館や、パルマ大聖堂といった歴史的建造物でも知られる。さらに、2020年の「イタリア文化首都」にも選ばれた。
Source: The Crazy Tourist
モスタル:ボスニア・ヘルツェゴビナ
この東ヨーロッパの観光地は、古い石造りの建物と、石畳の道で知られる。ネレトヴァ川の上には美しい橋が架かっている。16世紀に建造された「スタリ・モスト(古い橋)」を、2004年に復旧したものだ。
Source: Earth Trekkers
フォート・コチ:インド
インドで初めてヨーロッパ人が入植した地として知られるフォート・コチでは、多くの異なる文化が交わっている。「中国式の魚獲り網」(上の写真)は有名な眺めの1つだ。
Source: Brogan Abroad
テルチ:チェコ
1530年の火事で焼け落ち、その後再建されたこの地区は、現在ではチェコ共和国有数の観光地となっている。この美しい歴史的な街の中心部は、ユネスコの世界遺産にも登録されている。中心部には城もあり、美しいルネッサンス様式の建築を見ることができる。
Source: Time Travel Turtle
フィラデルフィア:アメリカ
兄弟愛の街(The City Of Brotherly Love)という愛称で呼ばれるペンシルバニア州フィラデルフィアは、アメリカ建国と歴史的、文化的に深い関わりがあることでも知られている。それと、聞いたことがあるかもしれないが、チーズステーキは結構おいしい。
Source: Visit Philly
アブ・シンベル神殿:エジプト
この遺跡の発掘場からは、ラムセス2世が建てた2つの寺院跡が見つかった。寺院の前にはエジプトの王の彫刻4体が置かれていた。近くには王妃ネフェルタリに捧げられた寺院があり、天空の女神ハトホルをまつるために用いられた。
Source: Britannica
マヤ生物圏保護区:グアテマラ
2018年12月の調査によって、この地域で新たに6万以上の建造物が見つかったと、ヒストリー誌が報じた。この発見は、マヤ文明が、これまで考えられていたよりもずっと大規模だったことを示している。
Source: History
アストゥリアス:スペイン
アストゥリアスはスペインの自治州で、海岸沿いに位置し、岩場や美しい砂浜を見ることができる。狼やイノシシなどの野生動物がいるエリアとしても知られる。この地域はこれまで、あまり観光客が訪れる場所ではなかったことから、誰にも気づかれずに逃避行を行うには最適の場所だ。
Source: Along Dusty Roads
[原文:The 25 travel destinations you need to visit in 2020, according to National Geographic]
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)