テレワークや時差出勤で子どもとの時間が増えている人が多いのではないでしょうか。ちゃんと勉強をしていなかったりすると、ネガティブな言葉を投げかけて後悔しがちですが、一見ポジティブに思われる褒め言葉でも、子どものやる気をそいでいることがあるそうなので要注意です。最近の研究が示す親のNG声掛けとは――。
居間で息子を叱る母親
※写真はイメージです(写真=iStock.com/takasuu)

親の声かけの影響は計り知れない

新型コロナウイルスの影響で、お子さんと過ごす時間が増えたパパ・ママは、多いでしょう。日常的な子どもとの接し方が、今まで以上にとても重要になっています。何げなく声をかけているとき、在宅で学習をしている子どもに何かを説明するときなどの言葉の選びかたは、実は子どもにとってはとても影響力があります。事実、親から子どもへの言葉は、子どもの心の発達や、認知能力、学習意欲や自己肯定感に影響を及ぼすことが多くの研究から示されています。

どのような遊び方、声がけ、接しかたが子どもの発達や能力を促進するのにNG、あるいは、良いのか、研究から明らかになっているものを紹介していきます。

日本の子供たちの低い学習意欲

OECDの学習到達度調査(PISA)によると、日本の15歳の子どもたちは、数学的リテラシー、科学的リテラシーにおいて、世界の中でもトップレベルにあります。一方で、勉強が将来なんの役に立つのかわからない、自分は勉強ができない、などの思いが強い学生が多く、家庭での慣習的な学習時間の確保などが低いことも報告されています。低い学習意欲や自己肯定感は、個人レベルでみたときには、学習成績の低下などにも強く影響していきます。このような“学習意欲や自己肯定感の低さ”は、親や教師の声がけが強く影響している場合があります。