福岡、警固・薬院の天ぷら たなか

福岡、警固・薬院の天ぷら たなか

一期一会の旬の素材を最高の状態で。
目と舌と心で味わう極上天ぷら

　食材を手に取り、衣を纏わせ、油に泳がせる。その瞬間に耳に届くのは快い軽やかな音。食材と向き合い油と対峙する〈天ぷら たなか〉の店主・田中秀樹氏のその所作は、研ぎ澄まされて一切の無駄がない。それでいて流れるように自然だ。

　2021年初夏、欅並木が美しい警固に暖簾を揚げた同店。福岡の名店「天一」で21年修業を重ね、天ぷら一筋に精進を重ねる店主の腕前と人柄に惚れ込む贔屓を増やし、「福岡で本当に美味い天ぷらを食べるならここ」と、地元の食通を唸らせ、その名を知られる存在に。

　メニューは、昼・夜共におまかせコース一本のみで勝負する。自ら市場に足を運んで食材を仕入れることを常とし、魚介も青物もざっくりとした箱買いはしない。鮮度は言うまでもなく、その形や重量、サイズ感が自身の思い描く天ぷらに適しているかどうかを一つひとつ手に取って吟味することが身上だ。

　料理人になる前は、魚を扱う仕事に携わっていた経験があるという田中氏。それだけに、漁師や生産者の想いを肌で知っている。その現場と料理人を繋ぐ中卸の心意気をも宿し、天ぷらという形にしてお客様へ。まさにそれは、食のリレーの集大成。衣の付け方や盛り付け方など、一つひとつ工夫を凝らした天ぷらを一口頬張れば、瑞々しい季節の味わいが口いっぱいに満ちる。目と舌、そして心で存分に味わっていただきたい。

　やわらかに照明が灯る店内は、上品で洗練された設えでまとめられ、特別な時間に華やぎを添える銘酒も目利きのものが揃っているので、天ぷらと併せてぜひ一献。初めて訪れても、緊張させることなくその場を愉しませてくれるので、肩肘を張らず、リラックスしてお過ごしいただける。量の加減やアレルギーなども、予約の際に気兼ねなくご相談を。

　ああ、美味しい——。この心からの一言と笑顔のために、全身全霊で挑む料理人の至極の味を、大切な方を伴って、あなたもぜひご体験を。

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