都内に出かけることなく江戸前を─。大将の腕と人柄に惚れ込んだお客様が、今日もまた、日本一暑いまち・熊谷にある〈鮨 信楽（しがらき）〉の暖簾をくぐる。開業から7年。鮨も肴もレベルの高い店として、今やすっかり地元の人気店として広く認知される存在に。
板場に立つ大将・山田信彦氏は叔父が営む鮨店で修業を重ね、鮨の技術を叩きこまれた。ホテルの和食店で磨きをかけた日本料理の腕前の素晴らしさもお墨つき。カウンター席に腰かけたお客様を板場に立つ自分が見下ろすことのないように、同じ目線で仕事ができるようにと椅子の高さにまで気を配ることもお客様想いの大将ならでは。「今だけ・此処だけ・貴方だけ」をコンセプトとし、非日常の時間をお客様と共有していくことを大切に。お迎えしたお客様には丁寧にアレルギーや好き嫌いをお伺いし、その上で、一期一会の最高の握りや鮨会席をご提供。舞うような握りの所作、包丁の冴えを臨場感たっぷりに愉しめる、まさに劇場型店舗と言えるだろう。
山田氏の素材選びは実に柔軟だ。近場に海がないからこそ、その分産地選びに縛りがない。豊洲市場や地元の魚市場のみならず、東北や北陸を中心に産地直送で仕入れた全国津々浦々の旬が板場に揃うが、ブランドに頼ることなく、鮨職人としての自身の目利きを信じて仕入れることが身上だ。「海苔、ガリ、アガリ」といった脇役にもこだわり抜き、山葵は本場・長野県安曇野産の大ぶりな本山葵。そしてこの店の代名詞と呼ばれる「鯖の燻製」は遠方からわざわざ足を運んでまで食べに来る程の名物に。
息子さんの描いた鮨の絵が飾られた店内は、上質で簡潔な和の空間でありながらアットホームな空気も漂わせ、肩ひじを張らずにお過ごしいただけるに違いない。ちょっと贅沢なお食事から大切な方との記念日まで、最適なメニュー・コースをお選びいただきたい。
“海なし県”でありながら、最高に美味しい鮨を食べさせてくれる江戸前鮨の名店である。
