日本酒をお好きな方であれば、ピンとくるかもしれない。屋号の〈Gikyo〉は、愛知県の蔵元・山忠本家酒造の代表銘柄「義侠」に由来するもの。2021年1月に岡山市北長瀬にオープンの同店は、オーナーが惚れ込んだこの日本酒「義侠」と創作料理のペアリングをテーマとしている。義侠の他にも全国各地の希少な地酒を取り揃え、今や世界の名だたるソムリエやシェフたちも大きな関心を寄せる“SAKE”の新しい愉しみ方、日本が世界に誇る“SAKE”と食が織りなす魅力を岡山から発信する注目店だ。
料理長の岩﨑聡輔氏は、20歳で渡仏しミシュラン星付きの名店で腕を磨いた気鋭の料理人。水村山郭—漢詩に詠まれる美しくのどかな水辺の村や山沿いの村といった里山を、季節ごとにGikyo独自のイメージを通して解釈し、目と舌を唸らせる一皿へと昇華させる包丁の冴えが見事だ。素材には、兵庫県・川岸牧場の但馬牛や地元岡山で獲れるジビエをはじめ、瀬戸内の旬の魚介等、季節の旬の厳選食材をふんだんに。クラシックフレンチの高度な技法をベースに、日本酒の持つ個性や味わいが引き立つ最高のペアリングが追及された創作コース料理を存分に愉しませてくれる。
モダンでスタイリッシュな店舗は、ご来店前から「水・村・山・郭」を配置し、店内へと誘う扉を開けると、日本酒の原点である水と稲を象徴する滝と稲穂の鳳凰がお出迎え。ゆったりとしたテーブル席の他、カウンター4席と個室のご用意があり、日本酒1銘柄、創作料理1品のペアリングに対するこだわりを丁寧に説明することが同店のスタイルだ。店側からの提案のみならず、お客様の好みに沿った提案も可能なので、どうぞ遠慮なくお伝えいただきたい。
平日はカウンター形式での提供を行なっており、料理長との近い距離感でサービスを愉しめるのでおすすめだ。完全予約制でのご案内、かつ創作コースやペアリングコースはご来店2日前までの受付となるので、お早目のご予約をお忘れなく。
