〈TAKU 円山〉は、2009年の開業以来、愛され続ける名店である。初代店主は道内外に幅広いファンを持つ「タク」こと渡邉卓也氏。ジャンルや固定概念に捉われない発想力と素材の見せ方とバランス感覚の良さを持ち味に、創作和食の第一人者としてブームの火付け役となった料理人だ。その渡邉氏から全幅の信頼を受け、2016年に同店を譲り受けた和田勇人氏。翌年には、ミシュランガイド北海道特別版にて1つ星獲得の快挙を成し遂げたことは記憶に新しい。
和田氏が料理人として大切にしているのは、北海道の“今”。その時期その日に一番美味しい食材を食べていただく料理には、まさに北海道の四季がある。滋味あふれる冬。新しい季節を迎え一気に目覚めた緑を味わう春。色とりどりの野菜と山海の幸が揃う夏。そして、長い冬を間近に最後の収穫を迎える山里の恵みをいただく秋。基本は和。けれどもそこには固執せず、新しく、まだ誰も体験したことのない一皿を創造する包丁の冴えは見事である。また、和田氏の出身地が奥尻島ということから、奥尻産の海の幸や、ブナの原生林で採れる山菜も豊富に扱う。中でも、夏に旬を迎えるウニの美味しさは格別で、漁期がわずか3週間の奥尻産ウニを心待ちに、毎年同店を訪れるお客様も数多いという。道外からのお客様に、美味しい北海道を味わっていただきたい…という際にも、自信をもっておすすめしたい。
お客様をお迎えする同店は、円山公園駅、円山公園へも歩いてすぐの閑静な住宅地の中。和食店のイメージよりも、ギャラリーを思わせるお洒落な外観に、料理への期待がより一層膨らむ。さあ、どうぞ温もりあふれる店内へ。ゆっくりと寛ぎながら、料理人渾身のおまかせの料理を、目利きの美酒と共にご賞味あれ。
独創的でかつ新感覚な北海道の四季を、どうぞ存分にご満喫いただきたい。
