〈割烹嘉とう〉のカウンターに座る—と、目の前には大将手書きのその日のお品書き。こんなに？大将一人で？と心配になるほどの数で、どの料理も何とも美味しそう。さあ、どうするかな。あれも、これも、食べてみたい。隣の先客に、たった今運ばれてきた料理もそそられる…。「大将、今日のおすすめは？」そんな掛け合いも良いものだ。
2025年5月、丸の内にオープンした〈割烹嘉とう〉は、アラカルト主体。おまかせコースの店が増える中、これは嬉しい。酒の肴から小腹にたまるものまで、肉も魚も野菜料理も、ご飯ものもふんだんにご用意があり、沢山のお品書きの中からお好きなだけ。素材名のみ書かれているものは、調理はお好みで。焼いてもらったり揚げてもらったり、自由度の高い割烹の醍醐味を愉しませてくれる。
「本当に美味しいものは、肩の力を抜いて食べていただきたい」。それが大将・加藤将大氏の信条だ。修業を重ねたのは、名古屋でもその名を知られる日本料理店で、師匠は関西の名店出身。師匠から学んだ関西割烹のやさしい味わいを大切にしながらも、地元名古屋の方のお口に合うように。それが大将の割烹料理だ。
程よい広さの店内には、5名様までご利用いただけるカウンター席と、4名様用のテーブルが2卓。板場に立つ大将の笑顔、行き届いたスタッフのサービスも気持ちがいい。予約を入れておくに越したことはないのだが、お一人でふらりと立ち寄っても、お席があればもちろん大丈夫。お腹が空いている時も、2軒目にも。お酒を主体にお過ごしになりたい方も、逆に、お酒は飲めないという方も。場所柄大人主体の店ではあるが、お子様をお連れになっても、快く迎えてくれるので安心だ。事前にお知らせいただければ7名様以上で貸し切り可能というのも耳よりな話。接待などで色々オーダーするのが大変で、という方には、前日までのご予約にてコース料理を用意してくれるので、どうぞ気軽にご相談を。
ここに来れば、必ず食べたいものがある、美味しい料理に会話が進む、いい気分。〈割烹嘉とう〉を是非ともあなたの指定席に加えていただきたい。
