永井酒造株式会社

川場村から世界へ、そして、未来へ
日本酒の新しい潮流を生む老舗蔵
明治19年、士族であった創業初代が酒造りを志し、水に惚れ込み移り住んだことに川場村〈永井酒造〉の歴史が始まる。武尊山の伏流水は最初に甘み、そして最後にミネラルを感じる軟水だ。裸一貫から酒造りをはじめた初代は少しずつ水源の森を買い足して、今では東京ドーム10個分の50ヘクタールを永井酒造が守っている。
戦禍、敗戦。そして復興期から右肩上がりの好景気へ。永井酒造136年の歴史は、日本の歴史を紐解くことでもある。当時日本酒業界は非常に潤い、作れば売れた。蔵の安定を見た3代目は31歳で全国最年少の村長となり、地域の振興にも着手する。「農業と観光」を掲げた3代目の政策から誕生した「道の駅川場田園プラザ」は地方創生の成功モデルとして国内外から視察団が訪れるまでに。
一方で、1973年をピークに日本酒の需要は下がり始める。蔵の存続をかけて兄と共にブランドリニューアルに着手したのが、現蔵元6代目となる永井則吉氏だ。まず酒造りの土台となり、地域の文化的支柱ともなる蔵の建て替えから始め、熟成酒やスパークリング日本酒といった新たな可能性に着目した酒造りへと挑む。日本酒を食事のコースに合わせて楽しむコンセプト「NAGAI STYLE」の元、誕生したスパークリング日本酒「MIZUBASHO PURE」は、伝統的な日本酒製法に瓶内2次発酵を取り入れた本格的なスパークリング日本酒の先駆けであり、日本酒の新しい流れを生んだ。
また、ここで忘れてはならないのが、蔵を陰で支える永井家の女性たち。現在も、尾瀬の環境保全活動やウーマンエンパワーメントなど企業としてのSDGsの取り組み、また日本酒にもまだ親しみの少ない女性達にも響く女性視点のマーケティングが6代目蔵元夫人である松美氏を中心に進行中だ。
永井酒造は、地域の風土と結びついた特産品を保護する「GI」への取り組みにも積極的。ヨーロッパのワイン基準に並ぶ「GI利根沼田」認定日本酒も完成し、日本酒を牽引する蔵としてその動向に期待がかかる。群馬に根差す老舗蔵が見せてくれる日本酒の未来を是非ご自身で味わってほしい。





店舗情報
永井酒造株式会社
住所 | 群馬県利根郡川場村門前713 |
電話番号 | 0278-52-2311 |
営業時間 | 9:00~17:00 |
定休日 | 土曜日、日曜日、祝日 |
ホームページ | https://www.nagai-sake.co.jp/ |