地下鉄・本郷三丁目の駅からゆっくり歩いても5分ほど。ご紹介する〈〜時々〜すずきの〉の暖簾がゆれるのは、東京大学の赤門のすぐそばの路地。モダンなビルの谷間に昭和の匂いのする商店や住宅が混じるこの街に、何とも良く似合う店だ。
料理の道に進んで20有余年。脂の乗った店主の包丁の冴えが光る料理は、日本料理の伝統を大切にしながら時代の流れが加味されていて、しみじみ美味い。ランチ営業があるのもうれしい限りで、売り切れ必至の名物ばらちらしと、炊き立て土鍋ごはんと煮物のセットからお選びいただける。ばらちらしはテイクアウトもできるので、ご希望の折りには早めにご連絡を。
一方、夜のお品書きはお任せ一本。旬の鮮魚や季節の野菜、和牛や時には鹿肉といったジビエも織り交ぜながら、四季を感じるバリエーション豊富な6〜7品のコースでご提供。さあ、今回はどんな素材、どんな味で目と舌を愉しませてくれるのだろう…と、あれこれと想像を膨らませる時間の何と豊かなことだろう。店主が自らの料理に合わせて吟味したとっておきの日本酒も、運転の心配なき方は是非どうぞ。
無垢の一枚板のカウンターはマックスで6席。4名がけと6名がけのテーブル席2卓のご用意があり、人数とご予算によっては貸し切りも可能。柔和な店主は目配り気配りも行き届いているので、お一人でのご来店も気兼ねなく。ご予約無しでもお席にゆとりがあれば快く迎えてくれる。遠くから足しげく通う方もいる評判の店なので、確実を期すためにもご来店の際には事前の予約がおすすめだ。
その時々のおいしい食材を。その時々に一番おいしい一皿に。時々無性に暖簾をくぐりたくなる、そんな隠れ家的な店である。
