かんのや本店文助
城下町三春の郷土の味
鶴の姿の家伝ゆべし
江戸末期の1860年に城下町三春において菅野文助が「菅野屋」を名乗り、今に伝わる“ゆべしづくり”がはじまる。
ゆべし(柚餅子)とは、柚子を使った菓子であるが、その土地特有の形状・味・製法があり、日本各地に様々なゆべしが存在している。東北で、ゆべしと言えば胡桃を入れた四角い餅菓子が一般的であるのに対し、〈かんのや〉の「家伝ゆべし」は、ゆべし生地でこし餡を包み蒸しあげるという、独自の製法で作られる“餡入りゆべし”である。その形状も実におもしろい。鶴が翼を広げた姿をかたどった「家伝ゆべし」は、三春城主にあたる田村義顕公の祖先、坂上田村麻呂が2羽の丹頂鶴に育てられたという故事に由来する。
「家伝ゆべし」を手に取ると、醤油の香ばしい香りが食欲をそそる。滑らかなこし餡を包み込むゆべし生地は、もちっと、それでいてやんわりと嚙み切れる。引き際の良い上品な甘みが溶ける頃、ケシの実の香ばしい余韻が残る。ほっこりと心まで癒される。
文助から受け継いだ伝承の味は時代を超え、三春の名物から福島を代表する味となり、今もなお、愛され続けている。人から人へ、古から今へ、想いを重ねた伝承の味がここにはある。
そして現在、〈かんのや〉の家伝の味は、お取り寄せをはじめ、かんのや直営店舗、都内の百貨店等でお買い求めいただける。もしお時間があれば、ぜひ〈かんのや本店文助〉へ足を運んでもらいたい。三春街道として知られる旧288号線沿い、郡山市と三春町の境に建つ美しい日本家屋の本店は、日本三大桜に数えられる三春の滝桜からもほど近く、敷地周辺の景観に四季の移ろいを感じ、より一層、その季節のお菓子を堪能できる。
長きにわたり城下町三春の味として愛され続ける「家伝ゆべし」を、心休まるお茶のお供にいかがだろう。
店舗情報
かんのや本店文助
住所 | 福島県郡山市西田町大田字宮木田39 |
電話番号 | 0247-62-2016 |
営業時間 | 9:00〜17:30 |
定休日 | 無休 |
ホームページ | http://www.yubeshi.co.jp/ |
※状況により営業時間が変更になる場合がございます。予めご了承ください。
※商品価格は全て税込み価格です
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