しんばし

しんばし

魚沼の水が生み出す自家製そば
受け継いだ伝統をモダンな店内で味わう

　創業から80有余年、2017年のリニューアルを経て、代々伝わる伝統の手打ちそばを守り抜いている〈しんばし〉。越後湯沢、南魚沼、小千谷と地元魚沼産のそば粉を使った自家製で、そば打ちから洗いに至るまで、使っている水は雪解け水から伏流水（ふくりゅうすい）となる魚沼の水だ。伏流水とは、川の水が地面にしみ込み流れ出した地下水のこと。自然の濾過装置を通った清らかな恵みが、そばのうまみを最高に引き出している。丹精込めた本手打ちを、新潟県産大豆の特製無添加醤油を使用したつゆでいただくと、甘露極まる味の世界に驚くだろう。

　そば以外のメニューも充実している。肉厚十分の「大皿舞茸天」、3日間じっくりていねいに煮込んだ「身欠きにしん」、うまみが濃厚な新潟ブランドの淡水魚「魚沼美雪ます」の風干しは、雪国の地酒とも相性ぴったり。新潟の方言で“辛いから気をつけて”という意味の名前が付いた「からいすけ」は地元野菜・かぐら南蛮を使った伝統の調味料。ピリッとした辛さは冷たいそばと相性抜群。酒も流石の本物揃いで、地元越後湯沢の「上善如水」、南魚沼の「鶴齢」「高千代」等、そばには日本酒という江戸時代から続く粋な日本文化を存分に愉しめる。

　店内はすっきりシンプルで、和モダンな佇まい。やさしい光が差し込む明るい空間は、全席がテーブル席。バリアフリーで車椅子でも利用可能なスロープ、トイレも完備されている。またブックディレクターが選書した書籍が並ぶ本棚もあり、魚沼の食と酒、文化に造詣を深めることも可能だ。

　春は天然の山菜、夏は自家菜園野菜、秋はきのこ、冬は特別な常備菜と、四季折々のとっておきメニューも見逃せない。新潟の温かさと素朴さ溢れる〈しんばし〉の味で、心ゆくまで癒やされたい。

店舗情報

※平均予算は税込み金額の目安です