三崎タンス店
![2024FUKUI_mishima tansu_7 昭和の終わり、バブル期の頃は婚礼道具として総桐タンス2〜3本しつらえて嫁入りするという習慣もあったが、今は着物をたくさん持っているという人も少ない。そんな現代におすすめなのが腰高サイズの桐タンス。中でも洋室に似合うタンスがこれ!見た目は北欧調だが、あり組などの伝統技法と、総桐の材料を使ってつくり上げた人気の逸品で、和服だけでなく、シルクやカシミヤ、革製品のような洋服、バッグなども収納できる](https://i2.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_7.jpg?w=956&h=638&ssl=1)
慶応元年創業。伝統的な越前箪笥の技術を
受け継ぎ伝える、伝統工芸品指定の老舗
箪笥の生産が盛んだった昭和の中ごろには15軒ほどのタンス店が並び、通称「タンス町通り」と呼ばれる通り沿いに店を構える〈三崎タンス店〉は、慶応元年(1865年)に創業した老舗。
現在の店舗は、江戸末期または明治初期に建設されたというだけあって、「福井県指定ふくいの伝統的民家」、「越前市府中まちなか博物館」にも認定されている。下屋根は瓦葺きではなく杉板葺きとなっており、箪笥に使う木材を干したり、2階の作業場へ上げる際に木材に傷を付けないためのタンス屋ならではの造りも見ることができる。
店内は外から見るよりも奥行きと広さがあり、伝統的な越前箪笥や総桐のタンス、木のおもちゃや木の雑貨なども並んでいる。隣にある3階建ての建物もショールームとなっており、ベッドやソファ、ダイニングセットといった一般家具の展示販売も行っている。
現在力を入れているのが、使い勝手の好い腰高サイズの総桐タンスと現代的な生活空間にも調和するスタイリッシュな北欧調の総桐チェスト。他にも、様々な銘木を使った耳付き一枚板のテーブルや座卓、越前箪笥仕様のコンパクトなお仏壇、越前箪笥に用いられてきた“からくり”仕掛けを施した引き出し付きの小箱、ちょっと変わったところでは、桐材の特性を活かしたコーヒー豆や食パンを入れる保存箱など、これまでにない新しい商品の開発も行っている。
また、桐タンスの修理依頼も多く、スマホで撮影した写真で見積もり、運送会社の手配もしてもらえる手軽さ、なによりも新品のように仕上げる技術力の高さで、その評判も非常に高い。
もちろん越前箪笥も製作しており、その芸術的な装飾の美しさ、ほぞ組み技術が使われた本物の越前箪笥であることから、インテリアとして求める方も多くいらっしゃる。
〈三崎タンス店〉は、越前箪笥とその伝統的な技術を活かした新商品を開発しながら、日本のものづくりを後世に引き継ぐ老舗。お近くに訪れた際には、ぜひお立ち寄りいただきたい。
![2024FUKUI_mishima tansu_4 越前箪笥。車輪付きであることから車箪笥とも言われる。本体は釘を使わないほぞ組みに漆塗り、ハートの抜け型、竜の文様から派生したと伝わる吉兆紋の雲形と、願いが叶うと言われる「如意」の雲形をした飾り金具が見事だ。2013年に伝統工芸品の指定を受け、美術品としても高い評価を受けている](https://i1.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_4.jpg?w=655&h=436&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_3 金庫の役目があった箪笥を現代に合うようリサイズした「からくり小箱」。普通に引いても開かない](https://i1.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_3.jpg?w=297&h=222&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_5 越前箪笥のお仏壇「縁ディング箪笥」。大きなお仏壇は処分し、コンパクトなこのお仏壇にする方も多い。愛犬や愛猫のお仏壇として購入される方もいる](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_5-e1719696707279.jpg?w=297&h=210&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_8 桐は、桐そのものが湿度調整を行い、熱伝導率が低く温度を一定に保つ性質があることに加え、密閉率の高い印籠式という箱のつくりが、食品の酸化や乾燥を抑えてくれる。コーヒー豆の薫りが飛びにくい](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_8.jpg?w=315&h=210&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_9 賞味期限の短い生食パンなども鮮度を保ってくれる](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_9.jpg?w=315&h=210&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_11 広い店内には、越前箪笥をはじめ、総桐タンス、総桐ベッド、踏み台、腰掛けなどの商品も並ぶ。奥に映る座卓の天板と脚はセパレート仕様で、テーブル用の脚に付け替えることもできるアイデア商品](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_11.jpg?w=637&h=424&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_10 上質な銘木を使った一枚板のテーブルコーナー](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_10.jpg?w=476&h=317&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_12 3階建てのショールームには、上質な銘木を使った一枚板のテーブルコーナーや、ベッド・ソファなどの一般家具も展示販売している。店は「TEMPUR」など3大ベッドメーカーの代理店でもある](https://i1.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_12.jpg?w=476&h=317&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_6 タンス通りに店を構える〈三崎タンス店〉。歴史ある佇まいが老舗であることを感じさせる](https://i1.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_6.jpg?w=293&h=195&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_1 桐箪笥の修理依頼もお任せを。左:修理前、右:修理後。同じ箪笥とは思えないほどに新品のようになって戻ってくる。スマホで撮影した写真で見積もりし、運送会社の手配もしてくれるので、全国各地から修理の注文が入る](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_1.jpg?w=363&h=195&ssl=1)
![2024FUKUI_mishima tansu_2 代表取締役 八代目 三崎俊幸氏 地元にある大学の工学部建築学科に在籍後、大阪でサラリーマンをした後、30歳で戻り家を継いだ。後ろに映る越前箪笥は明治初期頃に二代目が製作した貴重なもの](https://i1.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2024FUKUI_mishima-tansu_2.jpg?w=292&h=195&ssl=1)
店舗情報
三崎タンス店
住所 | 福井県福井県越前市元町5-10 |
電話番号 | 0778-22-0568 |
営業時間 | 10:00~19:00 |
定休日 | 木曜日 |
ホームページ | https://misakitansu.com |
メール | kagu@misakitansu.com |