天兼
風情溢れる空間で味わう
創業120有余年の江戸前天ぷら
120年を超える〈天兼〉の歴史は、江戸城内で料理番衆として働いていた創業初代が、江戸幕府瓦解後に、四谷で総檜造りの屋台の天ぷらを始めたことに幕を開ける。東京大空襲の際には店舗を焼失するも、終戦直後の昭和24年に3代目石鍋七郎氏が西口に移転店舗を構えた。昭和36年に新宿駅前の現店舗に落ち着いてからも、はや60有余年を迎える老舗である。掘り炬燵式のカウンターを備えた空間も昭和36年に竣工されたもので、施工を手掛けたのは、日本を代表する数寄屋建築の雄である水澤工務店。時を経た空間にしか醸すことが出来ない味わいがあり、現在では入手が困難となった銘木がふんだんに使われているのも何とも贅沢だ。
〈天兼〉の天ぷらは、カウンターでお客様のペースに合わせて、一品ずつ揚げていく伝統の江戸前天ぷらだ。4代目として暖簾を守るのは、初代から直に教えを受けた2代目の技術や味を再確認することで美味しさを追求する石鍋仁氏。江戸時代中期より続く伝統技法“玉締め絞り”によるごま油と菜種を主体とした専用サラダ油で軽くさっぱりと揚げることを身上とし、カラッと油切れが良くサクサクとした仕上がりは、胃もたれの心配がなく、上質な素材の味わいがはっきりわかる。キリっとした天つゆは、代々継ぎ足し続ける“かえし“を本枯れ鰹節で濃くとった鰹出汁で調味する。さらに、漬物の糠味噌も戦後70年以上続けて使用する等、お客様にお出しする一つひとつに歴史がある。
天種が油を泳ぐ軽やかな音、食欲をそそる香り、そして流れるような石鍋氏の所作に見惚れているうちに、その時期、その日に一番美味しい旬が衣をまとって目の前に。一連の時間の何と豊かで贅沢なことか。天つゆや薬味、お飲み物も過不足ないように気配りが行き届き、お食事やお酒の進み具合を見計らないながら、最適なタイミングで天ぷらを揚げてくれるので、オーダーの後はゆっくりお任せで寛げる。
大切な方とのご会食や接待に、是非ともご利用いただきたい。
店舗情報
天兼
住所 | 東京都新宿区西新宿1-5-1 小田急新宿西口駅前ビル1F |
電話番号 | 03-3342-5601 |
営業時間 | 月〜土 11:30〜13:30、17:00〜21:30 日・祝 17:00〜21:30 |
定休日 | 水曜日 |
平均予算 | 15,000円 |
ホームページ | https://www.tenkane.tokyo/ |
※平均予算は税込み金額の目安です