高知駅から路面電車に乗り10分—街の中心部に佇む〈得月楼〉は、地元で確固たる存在感を放つ有名老舗料亭だ。明治3（1870）年に店を構えて以来、歴史と伝統を大切に引き継いできた。高知県出身の小説家・宮尾登美子の代表作「陽暉楼」のモデルとなった料亭といえば、その存在を知る方も多いだろう。
はりまや橋のたもと、風雅な雰囲気を漂わせる数寄屋造りの建物は、国の登録有形文化財にも指定される見事な佇まい。「南海第一楼」と謳われてきた明治時代の姿がしのばれる素晴らしい空間だ。敷地内に一歩足を踏み入れれば、当時にタイムスリップしたかのような雅で風格ある雰囲気を感じることができるだろう。
幕末の著名な庭師による美しい庭園、文人墨客の書画など見応えのある空間には、全11の座敷をご用意。戦前から残る座敷のほか、隠れ家を思わせるプライベート感漂うおこもり座敷、庭園を一望できる座敷、梁瀬杉の一枚板を使用した天井版が印象的な150名収容の大広間など実に多彩で、人数や目的に合わせてさまざまな選択ができる。
提供される料理もまた、土佐で古くから伝わる伝統的な味わいを旬な味覚でお愉しみいただける見事な品ばかり。地の食材の魅力をとことん熟知した職人が、素材の味わいを最大限に引き出した究極の料理を提供してくれる。創業当初より取り入れられてきた会席料理をはじめ、山海の幸に恵まれた土佐の魅力を豪快かつ繊細に盛り込んだ皿鉢料理、赤身の美味しさが際立つ土佐あかうしを使用した料理、県外からのお客様に人気の土佐鰹会席、松茸膳のような季節限定のメニューに至るまで、五感で満喫できる料理が勢揃い。ご家族やご親戚、職場のお仲間など、大切な方々と料理を囲めば、必ずや誰もの胸に刻まれる素晴らしい思い出になるに違いない。
時代を超えて愛される名店で、伝統ある味わいを心ゆくまでご堪能—そんな素敵な時間を、貴方にもぜひお過ごしいただきたい。
