日本料理 ふじ原

日本料理 ふじ原

素材の味を最大限に引き出す
正解の無い日本料理

　大阪湾にほど近い堺の宿院界隈は、潮の香りがする古い町。南蛮貿易で栄えたこの土地で長い歴史を重ねてきた山之口商店街の一角に、〈日本料理 ふじ原〉がある。風雅な引き戸を開ける。と、お客様をお迎えするのは白木のカウンター。凛とした佇まいに背筋が伸びる—そんな空気も良いものだ。

　店主・藤原良氏は、素材の美味しさを最大限に引き出し、厳選された「出汁、魚、野菜、包丁、道具」で正解の無い日本料理を提供することに心を砕く。魚介は中央市場から全国の旬を目利きして仕入れ、野菜は地元農家ものを中心に。できるだけ関西のものを使うことを心がけているが、もちろん関西の“おいしいもの”であることが大前提だ。

　また、料理人からの一方通行ではなく、生産者や料理に携わる先人・仲間たち、地元の商店街やお客様に真摯に耳を傾ける。そして、こうした人々とのつながりを料理に組み込み完成させることを大切に。少数精鋭でクオリティーを維持し、目の前で料理を仕上げ、最高のタイミングでお客様へとご提供。日本酒も料理をより一層引き立てる目利きのものが揃っているので、ペアリングもおすすめだ。

　料理は昼・夜共に、お任せの懐石コースのみ。通常の懐石コースの提供時間として約2時間を要するので、ゆっくりと時間を取ってご来店いただきたい。同店2階は4名様用テーブルが2卓。個室として2名様から最大で10名様までご利用いただけるので、シーンに合わせてご利用を。

　お客様の来店時に併せて引く一番出汁の香り、紀州備長炭を使った焼物の香り。料理人の包丁さばきや、季節の移ろいを宿す一皿一皿の佇まいの美しさにも惚れ惚れする。まさに五感で味わう日本料理の醍醐味がここにある。本当の上質を知る大人にこそ訪れていただきたい名店である。

店舗情報

※平均予算は税込み金額の目安です