スポンジ・サブレ・パイをチョコレートでサンドしながら7層に重ね合わせチョコレートとアーモンドスライスで仕上げる「Gotto（ゴット）」は、焼き上げから包装までの全行程が手づくりで、1日に僅か5000枚のみの限定生産品。宮城銘菓として全国にファンを持つこの創作菓子を手掛ける〈株式会社パルポー〉は、1981年の創業以来 “住む人が幸せな街をつくりたい”との想いを、菓子店やレストランをはじめ、ブティックやフェイシャルエステサロンを通して地元に届け、街の発展に貢献してきた名店である。
夢の中で女神からこの菓子の案を授かったことに由来する「Gotto」には「銀菓」というもう一つの名前がある。宮城県気仙沼市の街並みから見上げる天の川、そして美しい海…復興への思いを込めて故松本零士氏が名付けたものだ。
同店創業30周年にあたる2011年に発生した東日本大震災では、同店も店舗や工場が被害を受ける。その中で、気仙沼の「Keiki Shinjo店」の店舗と工場だけが唯一被災を免れた。集まった従業員は、そこに押し寄せる寒さに震える人のために、ありったけの素材を使いプロパンガスで温かい汁物やパンやドーナツを焼き、そして無事残った「Gotto」や菓子を手渡した。その後も有志から寄せられる食材を使った料理で地元の人を励まし続けた同店は、復興の拠点として生きる希望の一助となったのだった。
そして、震災によって途絶えた「Gotto」の製造再開の背中を押したのは、パルポーに励まされた地元の方々。「Gotto」が造れるようにと電力会社に掛け合い、誰もがあの懐かしいやさしい甘さを待ち望んだ。この地元の方々の熱意を受け、社長の小野寺惠喜氏は、決断する。「みんなのために心温まるこの菓子を作り続けよう」と。
「Gotto」を手にすると、その丁寧で繊細な美味しさに驚かされる。数量限定の為、仙台（藤崎百貨店・エスパル東館・三越菓遊庵）と気仙沼市のパルポー（3店）のみで販売。その贅をつくした美味しさはハズさない、ハズれないお菓子とまで言われている。全国発送も有るので、ぜひ食して欲しい逸品だ。
