心地よい未来のために
始めよう、SDGs
vol.3
- 02 飢餓をゼロに -
持続可能な開発目標であるSDGs(Sustainable Development Goals)は、
国連サミットで決まった新たな国際目標。貧困、飢餓、健康、教育、エネルギー、まちづくりなど
17のゴールと169のターゲットからなり、
地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
日本でも国や地方自治体、企業でさまざまな取り組みが始まっています。
ここでは各テーマと、特徴ある事例をご紹介。
該当する企業の取り組みに賛同したり、商品を購入したりすることで、
あなたもSDGSの活動に協力できます。
今回は、第2のテーマ「飢餓をゼロに」についてお伝えします。
食の見直しが飢餓を止める
~9人に1人が飢餓に陥っている世界~
飢餓とは、必要とする食べ物を十分に食べられずに栄養が不足し、健康な状態と健全な生活ができなくなった状態のことをいいます。特に開発途上国で大きな社会問題となっている飢餓。「その原因のひとつを作っているのは私たち」と言う事実をご存じでしょうか?
世界で飢餓に苦しむ人は8億人。この割合は世界人口の9人に1人にも上ります。栄養不良を引き起こし、病気のリスクを高める飢餓。特に、開発途上国では5歳未満の子どもの多くが飢えにより命を落としているといわれています。飢餓は、子どもたちの未来も奪ってしまうのです。
ところが、農林水産省のレポートによると、世界の年間穀物生産量公表値は25.34億トン。それを世界の人口で割ると年間で食べられる量は1人当たり約333kgという計算になります。私たちが生きるために必要な穀物摂取量の年間平均はその半分の165kg。計算上では食料は余っており、飢餓になることはないはず。それなのに飢餓に苦しむ人がいるのはなぜでしょう?
原因のひとつを作っているのは、私たち自身。食品ロスの問題です。日本で破棄されている食品は年間2,842万tで、そのうち食べられものは646万t。私たち日本の食品ロスの量は、世界の食品援助量320万トンの2倍にも上るというのです。
必要な食品を必要なだけ使う、未開封の余剰食品をフードバンクで役立ててもらう――。私たちがほんの少し気を付けて行動することが世界の飢餓を止める助けになるのです。
目標2 飢餓をゼロに 詳細はこちら
株式会社昆虫食の
entomoの取り組み
~古代から来た未来食、昆虫食で飢餓に終わりを~
株式会社昆虫食のentomo(大阪府和泉市)は、昆虫食の普及させることで「世界100億人の食文化をより豊かに! 先進国では健康増進、途上国では栄養改善」をビジョンに掲げた昆虫食企業です。
昆虫は高タンパク質・低糖質でミネラルと食物繊維が豊富。また、漢方として古くから使われていました。代表取締役の松井崇さんが「食べやすい昆虫食を広めたい」と作ったのが、昆虫食レトルトカレー「いもむしゴロゴロカレー」。西アフリカからフェアトレードで生産者から直接購入したシアワームと呼ばれる食用イモムシを使ったカレーは、イベントでも「美味しい」「エビより身が詰まっている感じ」と好評だったそうです。
国連が推奨して以降、未来食のシンボルに掲げられる昆虫食。飢餓を救う頼もしい存在になりそうです。
株式会社昆虫食のentomo
バリュードラバーズ
株式会社の取り組み
~フードシェアリングプラットフォームで食品ロス削減に貢献~
バリュードライバーズ株式会社(東京都港区)は、食に関わる社会課題を解決するフードテックカンパニー。同社では、食品ロス削減のためのフードシェアリングプラットフォーム「tabeloop(たべるーぷ)」を展開しています。包装が汚れていたり、賞味期限が迫っていたり、形が不ぞろいだったりという理由で市場に流通されない食品を販売。買い手と売り手を結びつけて廃棄されてきた食品を生かすことで、食品ロスの削減に努めています。売り手となるのは、各地域の生産者や食品メーカーなど。買い手は、居酒屋やレストランなどの外食店をはじめ、お弁当、惣菜を扱う中食業者、こども食堂や学生寮などの食堂、ほかにも学園祭や地域のお祭りなど食品の使用量の多い企業や団体です。
さらに同社では売上手数料の一部をFAO(国際連合食糧農業機関)に寄付し、飢餓撲滅を目標に貢献しています。
バリュードライバーズ株式会社