小平惠一建築研究所

小平惠一建築研究所

全ての天候、時の移ろいを愛することができる
ミニマムでのびやかな家

　人がそこに居る時間、快適に、気持ちの良い時間を過ごすことができる空間を提供することに比重を置く—それが建築家・小平惠一氏の設計の基本にある。「時間の制約を最優先にした促成物な建築を良しとする考え、機能的で、温熱環境が快適であれば良しとする考えもあるとは思いますが、人がそこに住まう環境を考える時、それだけでは勿体無いと思います」と、小平氏。「お客様と打ち合わせを重ね、要望を具現化すべく思考をめぐらせ、適正なプロポーションを与えることで、そこに住まう人の日常が、かけがえのないものとして感じられるような空間作りは可能です」とも。

　氏が主宰する〈小平惠一建築研究所〉のデザインの手法として際立っているのは、空間の拡がりを獲得するために出来るだけ仕上げの種類を抑え、かつ視線の抜けを意識した室の連なりとしている点が挙げられる。現在一般的な建築物に多用されている樹脂製シートや壁紙ではなく、石は石として、木材は木材として、金属は金属として、風化を楽しめるように可能な限り本物の建材の選択をすることもこだわりの一つだ。

　空間に物理空間以上の拡がり、のびやかさを与える装飾性を排したミニマムなデザイン、建材の風化を楽しむ自然素材の選択をはじめ、近年ではプランニングの選択肢として、プライバシーにおける快適性を備えたコートハウスを推奨し、時の移ろい、光や風、晴れや曇り、雨等全ての天候を日々感じ愉しみとするような空間作りであることも、同所の持ち味となっている。

　閑静な住宅街に建つ、つくば市のアトリエは、住まいとアトリエがテラスを介して対に配されたコートハウスで、一般家庭等にも応用できるアイデアに満ちている。小平氏の建築に対する考え方は、氏が上梓した『世界で一番やさしい建築入門』にも記されているので、ウェブサイトと併せてご一読いただくことをお勧めしたい。戸建てをはじめ、店舗、医院、事務所等の新築、リフォームまで、何なりとご相談いただきたい。

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