薄氷本舗 五郎丸屋
創業から270年
伝統と新しさを宿す干菓子
あいの風とやま鉄道・石動(いするぎ)駅から、ゆっくり歩いても10分ばかり。どこかレトロで懐かしい石動の商店街をゆくと、やがて欅づくりの美しい木造建築が視界の先に見えてくる。創業から270年を数える老舗〈薄氷本舗五郎丸屋〉だ。
創業は、加賀金沢と越中高岡を結ぶ交通の要だった石動が、宿場町として栄えた江戸時代。看板銘菓として親しまれる「薄氷」が、五代目店主・五郎丸屋八左衛門の手によって創りだされたのが1752年のこと。ようやく雪が解けかかる2月・3月の寒い朝、田圃や水たまりに張った薄氷にぴしりと亀裂が入る姿を映したこの干菓子は、口の中に入れるとふわりと溶ける和三盆の上品な甘さが秀逸で、美の巨人として知られる柳宗悦もその抽象美をこよなく愛した逸話が残る。藩政時代には禁裏や時の加賀藩主前田公によって幕府に献上。また明治以降には宮内省の御用をはじめ、茶道界等からの推賞を経る等、全国にその名を知られる格の高い銘菓である。
さらに、薄氷を現代風にアレンジした「T五(ティーゴ)」は、味覚の基本である塩味・苦味・酸味・甘味・滋味を、桜・抹茶・ゆず・和三盆・胡麻の5つの風味に重ねたもので、そのコンセプトや自然素材で表現された和の味わい、シンプルな円形と自然素材の持つ色合いの美しさが高く評価されている。「世界にも通用する究極のお土産(2013年・観光庁)」、「The Wonder500(2014年・経産省)」に選定された他、2017年には「第27回全国菓子大博覧会(三重)名誉総裁賞」を受賞する等、伝統を礎に新しい和菓子を世界へと発信する存在でもある。お取り寄せも可能だが、茶室のある風雅な店舗では、紅茶や加賀棒茶といった北陸限定品のご用意もあるので、近隣へ足をお運びの際にはぜひお立ち寄りいただきたい。
店舗情報
薄氷本舗 五郎丸屋
住所 | 富山県小矢部市中央町5-5 |
電話番号 | 0766-67-0039 |
営業時間 | 9:00~18:00 日曜日 9:00〜17:00 |
定休日 | 月曜日 |
ホームページ | https://www.goromaruya.com |