有限会社 栗山堂
城下町・中津で創業300有余年の和菓子処
黒田官兵衛の家臣の末裔が守る伝統の味
創業300年以上の歴史を持つ〈栗山堂〉の「外郎饅頭」と言えば、城下町・中津を代表する銘菓。日本各地にある「ういろう」の多くはカマボコ形だが、同店の「外郎饅頭」は菊の花をかたどった可愛らしい一口サイズ。白と茶色の2色があり、もっちりとした独特の食感と上品な甘さ、口の中に広がるほんのりとした生姜の香りがあとを引く。黒糖で色づけした茶色には甘さを抑えたこしあんが入っている。シンプルな見た目ながら、「さすがは300有余年愛される老舗の看板商品」と納得せざるを得ない逸品である。
そんな同店のルーツは、天才軍師として名をはせた黒田官兵衛の筆頭家老であり黒田24騎の1人としても知られる栗山利安の子孫が、江戸中期に中津で刀鍛冶を生業とするかたわら、博多の寺院から外郎の製法を教わって売ったのが始まり。やがて時代の流れとともに菓子づくりに重きを置くようになったという。現在は7代目・栗山喜代子氏と、その次男である8代目・英之氏が伝統の味を守っている。
同店で作られる和菓子は全てが国産材料と味・香りにこだわっており、「外郎饅頭」以外にも中津にゆかりの深い銘菓が揃っている。本の形を模した「福翁(ふくざわ)最中」は中津藩生まれの偉大な教育家・福沢諭吉がたくさんの書を繰り返し読んだことにちなんで作られたもので、最中の香ばしい香りと、甘さを抑えた上品な小倉あんのバランスが絶妙。黒田官兵衛愛用の兜を形どった麩の中に、大分特産の柚子を練りこんだ北海道産黒小豆の小倉あんがたっぷり入った「兜最中」もお茶請けに最適だ。
築100年を超える〈栗山堂〉の本店建物は中津城からJR中津駅へと向かう道中に、また同駅近くのアーケード街にも支店があるので、城下町観光のお土産としてはもちろん贈答品としてもぜひ。歴史が香る同店の銘菓をおすすめしたい。
店舗情報
有限会社 栗山堂
住所 | 大分県中津市京町2丁目1521 |
電話番号 | 0979-22-0820 |
営業時間 | 8:00〜18:00 |
定休日 | 火曜日(祝日の場合は翌日) |