本家ときわぎ

4代にわたって受け継ぎ守る味と技。
創業店舗のみにこだわる熱海の老舗
観光客や別荘のオーナーが行き交う熱海銀座。その四つ角に建つひときわ目を引く日本家屋に、誰もが足を止めてゆく。百有余年にわたって愛され続ける和菓子店〈本家ときわぎ〉の店舗である。戦時中に起きた近隣の火災の貰い火で一たび店舗を焼失するも、京都の宮大工の手により現在の店舗が再建され、80年近い時を経た歴史ある建物に、創業当初と変わらぬ技と心で今もお客様をお迎えしている。
創業は大正7年。創業初代・前澤鶴吉氏が、結婚を機に熱海の和菓子屋として開業したことを始まりに、現在は鶴吉氏の曾孫である寿美江氏が4代目。看板商品であり熱海の銘菓として文人墨客や政府の高官からも親しまれてきた「百年羊羹」は、初代から4代にわたって受け継ぎ守ってきた逸品だ。納得のゆく原料のみを使い、創業時の製法を現在もしっかりと踏襲する同品は、保存料は一切使用しないため、数日すれば自然に硬くなる。が、それこそが、ありのままの本来の食品の姿という考えから、敢えてそのままに。また、お客様が羊羹の中身をご覧いただき、安心してお求めいただけるようにと、創業当初から羊羹をくるんでいた透明なセロファンの包装もそのままに。初代の教えを守り、一棹一棹丁寧に手作業で包むのが、本家ときわぎの流儀である。
この「百年羊羹」や注文を受けてからきな粉で仕上げる柔らかな「きび餅」をはじめ、百周年記念に誕生した「風干し羊羹 登きわ木」等、店頭に並ぶ和菓子は全て手作りのため、生産量に限りがある。のれん分けも支店も設けず店舗はここ熱海の一店舗のみ。それは、品質や味の管理はもちろんのこと、一人でも多くのお客様に熱海の町中を歩いていただきたいから。わざわざ足を運びたくなる店づくりをすることで、一人、また一人、熱海へと訪れ、町歩きを愉しむことで、熱海をもっと好きになってもらえたら…という、地元に根差した老舗ならではの芯の通った思いがある。
長きにわたる歴史を紡ぐ〈本家ときわぎ〉の菓子。とはいえ、手ごろな価格で気軽にお買い求めいただけることも、同店が守り続ける心意気。歴史を感じる店舗では一年中お菓子の試食のご用意があるので、熱海にお越しの際にはぜひお立ち寄りを。










店舗情報
本家ときわぎ
住所 | 静岡県熱海市銀座町14-1 |
電話番号 | 0557-81-2228 |
営業時間 | 9:30〜17:30 |
定休日 | 水曜日、木曜日、その他に臨時不定休あり |
ホームページ | https://atami-tokiwagi.com |
※商品価格は全て税込み価格です