清酒「梵」 BORN 醸造元 合資会社 加藤吉平商店

清酒「梵」 BORN 醸造元
合資会社 加藤吉平商店

創業当時から続ける伝統的な手造りを大切に
海外での評価も知名度も最高、日本を代表する珠玉の名酒

　日本酒に精通し様々な日本酒を愛飲している方々ならば、「梵」が福井県鯖江市にある「合資会社 加藤吉平（きちべえ）商店」の純米酒であるのはよくご存じだろう。同社は160年以上両替商・庄屋だった先祖が万延元年（1860年）に日本酒製造を始め、商店としては325年以上、酒蔵として165年の歴史を持つ老舗。当主は代々「吉平（きちべえ）」を襲名し、現代表の加藤団秀氏は十一代目となる。

　当時の銘柄「越の井」が北陸清酒鑑評会において4年連続最優秀賞を受賞し、大正15年（1926年）の第１回全国酒類醤油品評会では「褒状」を授与され、昭和天皇の御大典の儀（即位式）にて初めて地方選酒として採用された。またそれまでは最高級のお酒だけに「梵」の名を冠していたが、昭和38年（1963年）に全銘柄を「梵」に統一。昭和43年には市販大吟醸酒を本格的に売り出し、日本の国賓の晩餐会、国際イベントの乾杯酒として「梵」が指名されてきた。1998年にカナダで開催された国際酒祭りにおいて「梵・氷山（ICE BERG）がグランプリを受賞したのをきっかけに海外で開催される世界的酒類品評会において数多くの最高賞にも輝き、2024年は1年間だけでゴールドメダル以上を57個受賞し史上最多記録を更新。現在は海外の民間企業や在外公館など100以上の国に輸出している。

　杜氏は岩手県出身。杜氏試験に全国で首席合格した社員杜氏として、現在は鯖江市に移住。完全無添加の純米酒のみを造っている同社では、兵庫県の特A地区で契約農家が栽培する「山田錦」、福井県産の「五百万石」と「さかほまれ」を使い、最新型精米工場で平均歩合34％という国内トップクラスの精米を施し、自社酵母と、地下約180mから汲み上げた白山連峰の伏流水で醸造する。さらに全ての酒は出荷するまでに最高で10年以上、短くても1年は氷温で長期熟成させることから本物の“旨さ”が乗った豊潤な“極旨”の日本酒に仕上げている。

　加藤吉平商店のある吉江町は江戸中期に、その後松平昌親公が藩主としてこの地を治めた。現在も吉江七曲り通りは当時の面影が残る場所で、酒蔵併設の小売店舗を観光がてら訪れるのもおすすめしたい。

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