天野
その日に仕入れた旬の食材で組み立てられる「お任せコース」の一皿一皿は、店主の“美味は滋味”と言う、シンプルだが食材の美味しさが最高に引き出され、語らずとも伝わる〈天野〉の真骨頂だ
“美味は滋味”。シンプルだが
旬の美味しさを最高に引き出した日本料理
JR仙台駅から車で約10分。繁華街国分町から少し離れた静かな場所、晩翠通から1本筋を入ったビルの1階。目立つ看板は特に出していないので注意していないと通り過ぎてしまう。ひっそりと、まるで隠れ家のように日本料理〈天野〉がある。
へぎ板があしらわれた引き戸をそっと開けて店内へ入ると、カウンターには6脚の椅子が並ぶ。飾りらしいものは特に無い。そこにはお客様を大切に考えるからこそ「飾りでごまかすことなく、全てにおいて本物を追求したい」と語るオーナーの想いが詰まった空間が広がる。
店は完全予約制で、料理は“おまかせコースのみ”。扱う食材は全国から最高のものを探し求め、その時期に出回る旬の美味しさを最大限に活かした調理法でコースを組み立ててゆく。そうしてつくられた料理で、日本の文化をストレートに感じていただくことこそが〈天野〉流の最大のおもてなしだ。
檜の無垢一枚板を使ったカウンターと座り心地の良いヴィンテージのチェア。2部屋ある個室は、赤に黒縞の木目が混じる一枚板のテーブルが存在感を放ち、塗り壁と相まって上質な寛ぎの空間を演出している。店で使う器やグラス、箸に至るまで上質な本物にこだわる。そういった空間でいただくからこそ、お客様は繊細な味わいの料理を存分に堪能することができるというもの。
「美味は滋味。それを感じるために、料理はできる限りシンプルに、地味に、控えめに」が、店主天野氏の信条。その滋味豊かな料理の一皿一皿は、日常を忘れられるような空間の中で、穏やかな時間と共にゆっくりと愉しんでいただける。
接待や記念日の食事といった大切な日には、ぜひ訪れていただきたい日本料理の名店だ。料理の内容やアレルギーなどの心配は、予約の際の相談で応じてもらえる。
料理の“滋味”を引き立てる器にも注目していただきたい。天然本鮪、ノドクロ、天然虎河豚(器:古伊万里)。
甘鯛の碗(器:村瀬治兵衛作)。
青サメのフカヒレ煮込み(器:土楽窯)
個室は6名×2室。それぞれ漆喰壁で仕上げられ、ブビンガ材の一枚テーブルとヴィンテージチェアが配されている
店舗情報
天野
| 住所 | 宮城県仙台市青葉区立町25-27 第2桃李園ビル1階 |
| 電話番号 | 022-393-7071 |
| 営業時間 | 17:30~22:00(最終入店20:00) |
| 平均予算 | 20,000円 |
| 定休日 | 日曜日、祝日 |
| ホームページ | http://amano-sendai.com |