50本もの桜が風に揺れる、誰もが立ち入り自由な公園と、木の香りのする空間と。ご紹介する「ARBOR（アーバー）」は、木工の街・大川に2022年9月の誕生以来、県内外の多くの方から親しまれ、今ではすっかり地域の顔に。この施設は、商業施設や店舗の企画・デザイン、設計、施工、木工什器製造をワンストップで行う福岡市の「クレアプランニング株式会社」が手掛けた一大プロジェクト。“つくる人をつくる森。”をコンセプトに、木工の街・大川に、木の魅力を通して新しいクリエイティブを生み出し、人と人、 街と想いをつなぐことを目的に、自社木工場に隣接するこの場所に、同施設をオープンさせた。
「施設の主役はあくまでも“木”。地球環境回帰のこの時代こそ、木の魅力を知り尽くした大川でやる意味があると考えました。」と語る同社代表の中田泰平氏。クレアプランニングのルーツも、ここ大川にある。有明海と筑後川に囲まれた豊かな自然環境を守り、木の魅力を知り尽くした場所である大川の経済活性化に貢献したいとの想いから、建物に使われている木材には、全て福岡県産の間伐材が使われており、家具のまち大川としての持続可能な資源利用のモデルともなるものだ。
施設内には、こだわりのアウトドアグッズやハイセンスな雑貨が並び、カジュアルなカフェスペースも併設。「ARBOR」を単なる集客スポットではなく、違う視点で創造するリアルな場所にしたい—との想いから、エキシビジョンやワークショップを積極的に開催している。アーティストは独自の感性で木材に新たな命を吹き込み、子供たちは自由な発想で木工の楽しさを体感する場に。体験型イベントや教育プログラムを通じて、地元の職人の高い技術力と創造性を広く紹介し、次世代職人の育成にも尽力している。
人と人、街と想いをつなぐ場所「ARBOR」から発信される木工の街・大川の新たな取り組みに大きな期待がかかる。誰もが気軽にご利用いただけるので、是非足を運んでいただきたい。
