Galerie Taménaga

美を紡いだ銀座の画廊、舞台は南青山へ
1969年銀座に創業した〈ギャルリーためなが〉。当時は、国立西洋美術館開館から10年、日本におけるヨーロッパ絵画の紹介はまだまだ限られている時代。創業者・爲永清司氏は、多くの名品が既に美術館に所蔵されている印象派の作品ではなく、未だ個人の手元に最高の質の作品を届けられる、次世代の作家を日本に紹介することとした。
遡ること十数年、1950年代にパリで過ごす機会を得た爲永氏は、世界で名声を得ていた藤田嗣治のアトリエを訪ね「おやじさん」と慕うと同時に、当時彗星の如く登場した若きベルナール・ビュッフェと親しくなる等、パリ画壇の真っ只中に身を置いていた経験と伝手で、エコール・ド・パリから戦後の作家までを日本の美術市場で広めることに成功した。
1971年、パリの中心地にパリ最大級のスペースを誇る画廊を開く。その理由も、現地で直接名品を集める上で、ヨーロッパ画壇からの信頼を得る必要を感じたからに他ならない。
一方で同時代を生きる作家の紹介には更なる情熱を注ぎ、開廊当初よりフランス画壇の精鋭な作家を育て、紹介し続けてきたことは特筆に値するだろう。画廊の使命は作家を育てることと云う信念の元にビュッフェの他にもアイズピリ、カシニョール、ギアマン等、日本で馴染みの深い作家を数多く輩出してきた。現在は欧米やアジア等、世界各地に視野を広げ、現代絵画の発信地としての役割も担っている。
開廊以来56年にわたり、銀座より数々の名品を紹介してきた〈ギャルリーためなが〉東京店は、2025年秋より新たなステージとして南青山・骨董通りに移転し、新店舗を構えることとなった。銀座で最後の展覧会となる「画商 爲永清司が育てたポール・アイズピリ展」では、創業者・爲永清司と画家ポール・アイズピリとの約60年にわたる交流に焦点を当て、アイズピリの溢れる創造力が生みだす愛と幸福に満ちた作品の数々を展覧する。秋に新店舗では移転オープンを記念し、同画廊で活躍する作家総勢20名がこの機会に特別に描いた作品を展示する展覧会も開催。今後もピカソやシャガールといった近代絵画の巨匠の個展から、注目の若手作家のグループ展まで、随時展覧会を開催する。
新たな幕を開ける今年、〈ギャルリーためなが〉が今後、美術界においてどのような歴史を築いていくのか。世界を見据えたその歩みに、今後も注目し続けたい。







店舗情報
東京店
住所 | 東京都中央区銀座7-5-4 |
電話番号 | 03-3573-5368 |
営業時間 | 月〜土 11:00〜19:00 日・祝 11:00〜17:00 |
メール | gal@tamenaga.com |
ホームページ | http://tamenaga.com |
新店舗
住所 | 東京都港区南青山6-5-39(骨董通り) |
電話番号 | 075-532-3001 |
営業時間 | 月〜土 11:00〜19:00 日・祝 11:00〜17:00 |
※2025年秋以降は移転予定のためメール
またはWebサイトよりお問い合わせください。