RITA 出水麓
麓という薩摩藩独自の町並みを
武家屋敷に泊まりながら体験できる場所
江戸時代の薩摩藩では外敵からの攻撃に備え、鹿児島城を中心に藩内各地に「麓(ふもと)」と呼ばれる武家屋敷群を配置し、強力な武士団を住まわせる独自の体制を整えていた。鹿児島県内にはその当時からの武家屋敷群が現在も残っている。
ご紹介の〈RITA 出水麓(リタ いずみふもと)〉は、薩摩藩最大規模の武家屋敷群「出水麓」で初の宿泊施設として開業。この地区で長年空き家となっていた3つの武家屋敷を改修した「分散型ホテル」を展開している。
最初に開業したのは、宿の受付なども備える「宮路邸」で2022年6月のこと。ここは3棟の中で一番規模も大きく3つの客室が用意されている。そして2023年6月には「土持邸」と「加藤邸」の2つの棟が開業。「土持邸」は2つの客室を、「加藤邸」は贅沢な一棟貸しとなっている。さらに2023年8月には、「土持邸」にあった牛小屋を改築したレストラン「Restaurant izuru」もオープン。炭火焼きフレンチと和食の融合をコンセプトとし、地元食材を活かしたコース料理を、日本産ワインや出水のお茶を使ったノンアルコールカクテルでのペアリングで愉しんでいただける。
それぞれに趣の異なる3つの棟は、その外観はもちろん室内も建築当時の貴重な姿が残されており、今ではほとんど見ることのない間取りや立派な柱、建築技法、建具などに囲まれる空間。あえてテレビや時計を置いていないので、日常の喧騒から離れて静かに過ごすことができる。
国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている出水麓地区には150軒ほどの武家屋敷が現存しており、薩摩藩の防衛を兼ねた石垣や生垣などを見ながらの散策も、どこか非日常を感じさせてくれる。また出水市は鶴の渡来地としても知られており、毎年11月下旬から3月上旬までシベリアから1万羽以上の鶴が集まる。この鶴を見に訪れるのも楽しみの一つだろう。
静謐たゆたう、武家屋敷に泊まる。独自に整えられた町並と歴史を体験しに、どうぞあなたも。
店舗情報
RITA 出水麓
住所 | 鹿児島県出水市麓町18-35 |
電話番号 | 0996-68-8003 |
宿泊料金 | 2名様の場合、1名様 29,450円〜 (1泊朝食付き、税サ込) |
定休日 | 火曜日、水曜日 |
ホームページ | https://rita-izumifumoto.jp |