ROSEO FACTORY
日々挑戦と進化を続け90有余年
祖父、父、息子へと継承されるビスポークの魂
昭和初期に創業の「服装サクライ」から現在の〈ROSEO FACTORY〉へ。英国サヴィルロウの名店「キルガーフレンチ&スタンバリー」に師事した櫻井卓三氏を初代に、現店主・櫻井康二氏で3代目。90有余年に及ぶ時を紡ぐ老舗である。
英国仕込みの技術やこだわりは言うまでもなく、何よりもまず人を見て服を仕立てる姿勢、目の前のお客様とじっくりと対話を重ねる本物の仕立て職人としての矜持を初代から3代目へと繋いだのが、この6月に逝去した2代目店主・櫻井孝則氏だ。
服づくりの土台としたのは、「服は第二の皮膚」という考えで、仕立てる服は着ていることを忘れるほどのストレスのない着用感、男ぶりを上げる恰好の良い仕上がりに定評があった。また、お客様一人ひとりにしっかりと向き合いたいとの想いから、まず、縁あってご来店くださったお客様を理解し好きになることから服作りをスタートすることを大切にした。孝則氏の代から職人を抱えるようになったこともあり、技術の向上に少しでも寄与できれば…との想いから、お直しのみの依頼も引き受け、様々な種類のスーツに触れる機会を増やしたのも、職人を大切にした孝則氏ならではのエピソードだ。技術と人柄を備えた信頼に足るテーラーとして、幅広いお客様から愛されたことは言うまでもない。
同店では、「洋服は体型を補うもの」という初代からの考えに基づいて、現在も既存の型紙を使わずに、ゼロから型紙を起こしている。採寸・型紙起こし・型紙に沿って生地を裁断する「カッター」の仕事と断裁された生地を縫う「テーラー」の仕事を全て一人が行うことも初代からのこだわりだ。
「温厚で優しかった父は、僕のやりたいことを決して否定することなく、いつも見守ってくれていたように思います」と、3代目の康二氏。本格的なバンドの一員として活躍し古着も扱ってきたユニークな経歴が、老舗としての伝統に新しい風を吹き込み、同店の新たな魅力の一つとなっている。
ご来店の際には時間を気にせずゆっくりと寛いで、店主との洋服談義も愉しんでいただきたい。遠方への出張も応相談なので、本物のビスポークの醍醐味、至高の着心地を次はあなたがご体験を。
店舗情報
ROSEO FACTORY
住所 | 千葉県船橋市本町4-16-31 |
電話番号 | 047-426-0304 |
営業時間 | 11:00〜18:00 |
定休日 | 水曜日(完全予約制) |
ホームページ | https://roseofactory.jp/ |