グラスキューブめんめん館

一般的に想像する素麺のパッケージとは異なり、厚みのある長方形。てまり型にまとめられた素麺を鍋に割入れて茹でる独特なスタイルだ。この地域で作られてきた素麺は、加賀藩御用達として、能登半島の輪島で作られていた「白髪素麺」が源流と云われている
古式手延べ製法×硝子加工の高度な技
富山の秘境・利賀村の自然を宿す極上素麺
富山県の南西部、標高千メートルを超える山々に囲まれた利賀村は、豊かな自然が息づくまさに秘境。ご紹介する〈グラスキューブめんめん館〉は、約9割を森林が占める豪雪地帯のこの村にある。
同館は、昭和58年、地元の利賀森林組合と利賀村農林課が共同で製麺工場を建設し、手延べ麺製造を開始したことにその歴史の幕を開ける。職人の高齢化や引退により廃業をやむなくされた製麺事業の伝統を、次世代へと伝えたいとの想いから、事業をひきついだのが地元のガラスメーカー「グラスキューブ」だ。昔ながらの古式手延べ製法と、ガラス加工で培われた近代的な製造管理技術の融合によって生み出された手延べ清流素麵は、湿度の異なる乾燥室で、4〜5日かけてゆっくり乾燥させて麺を熟成させていく。極細麺でありながら茹で伸びしない強いコシとのど越しの良さが特長で、麺とつゆのみですこぶる美味い。
また、その長さはおよそ1メートルにも及ぶ極細麺で、干し場で風に揺れるその様は、まさに清流を思わせる佇まい。長い長い素麺を独特の“てまり型”にまとめた形状も特長で、茹でる際に手で割るという独特のもの。成形できるのは、ベテラン職人の中でもごくわずかという希少な技だ。
この手延べ清流素麵の製法を応用して仕上げられた「手延べ清流うどん」「手延べ極細清流うどん」をはじめ、古くから利賀村で作られてきた「清流利賀そば」や、宇治抹茶を贅沢に練り込んだ「清流茶そば」といった姉妹品のご用意もあり、口の肥えた方への贈答品としても必ずやお喜びいただけるに違いない。
お取り寄せはもちろんのこと、天空の郷・利賀村へも是非一度。手延べ清流麵に欠かせない寒冷な気候と、製品名の由来となった清流百瀬川のせせらぎを訪ねる旅はいかがだろう。

干場と呼ばれる乾燥室でじっくりと干され、熟成を重ねる清流素麵。一般的な素麺はほぼ一晩で乾燥を終えるが、同品はその4.5倍の日数をかけて乾燥させることで、強いコシや旨味が生まれる

素麺の製造過程から。くっつきあった素麺を長い箸を使って分けていく「箸分け」作業

麺がやわらかい状態のうちに束に取りてまり型へとまとめていく。もちろん全て手作業だ


清流素麵は2人前1袋648円と高価だが、手間と時間を贅沢に注ぎ込んだ至高の逸品として、圧倒的な小麦の香りの違いに誰もが驚く。
店舗情報
グラスキューブめんめん館
住所 | (本社)富山県高岡市岩坪23-2 (製麺所)富山県南砺市利賀村上百瀬153 |
電話番号 | 0766-75-4573 |
営業時間 | 8:30~17:30 |
定休日 | 土曜日・日曜日・祝日 |
ホームページ | https://menmen-kan.com/ |
※価格は全て税込み価格です