長山工芸
![個人邸の新築の際にオーダーして制作された青森檜葉を使った建具 ほどよく光と風を通し、気配を感じさせながら空間を仕切るモダンな意匠は、琉球畳の空間との相性も非常に良い](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2021iwate_nagayamakougei02-e1598105890579.jpg?w=956&h=697&ssl=1)
伝統の組子細工をベースにした
南部細目組紋様細工
風を通し、光に浮かび上がる紋様の美しさに息をのむ。写真で御覧いただく衝立や照明に施された「南部細目組紋様細工」は、昭和39年創業の〈長山工芸〉が、平安時代から続く日本古来の組子細工を応用し、独自技術として完成させたものだ。
建具店として創業の同社が、新しい組子細工の研究を開始したのは、昭和終盤の1980年のこと。その3年後に誕生したこの「南部細目組紋様細工」は、平成にかけて数々の賞を受賞する。初代・長山三藏氏は厚生労働省認定現代の名工に選出され、さらには黄綬褒章を受章する等、その功績が高く評価されている。現在は後継者である長山祐司氏が、初代の意思を受け継ぎながら、新たな可能性へと挑む。
同社が手掛ける作品は、すべてが職人の手作業による希少なもの。細かいパーツを組み合わせる従来の組子細工とは異なり、縦横共に端から端まで一本物の部材を組み上げて製作されていることが大きな特長だ。継ぎ目のない一本の部材を組み合わせていくことで、強度が格段と増し、ガラスや障子紙等で補強せずとも十分な耐久性を実現している。
製作に使うのは、地元東北の青森檜葉や神代欅、浄法寺産の漆の木や椹(サワラ)等。寒い地域で育つ木材は、身が締まり細かい年輪が美しいのだという。また、約2600年前の噴火で堆積物に埋もれた希少な銘木「鳥海山の埋もれ木」は、沈むような深い緑色が独特な雰囲気を醸し出す素材となっている。シンプルなデザインながら、形・サイズ・木材・色・組み方の工夫で、仕上がりは思いのままに。時を重ねることで、さらに深い味わいを増す経年変化は、上質な無垢材ならではのもの。
照明スタンド、障子やテーブル等、伝統と新しさを宿す「南部細目組紋様細工」は、和洋を問わず究極の自然派インテリアとして、心地よく美しい空間を演出してくれる。
![空間をデザインする長尺行燈「寂光」 暖炉のある和モダンな空間をまろやかな優しい灯りが心地よく照らす](https://i2.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2021iwate_nagayamakougei06-e1598105946879.jpg?w=295&h=493&ssl=1)
![個人邸リフォームの際に制作された神代欅を使った丸行燈 フロアや壁面に散る美しい影はまさにアートだ](https://i1.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2021iwate_nagayamakougei03.jpg?w=657&h=493&ssl=1)
![個人邸リフォームの際に制作された神代欅の衝立 衝立の面がゆるやかにアールを描き、より一層美しい陰影を生んでいる 仕上げも非常に丁寧で、良材ならではの木目も美しい](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2021iwate_nagayamakougei01.jpg?w=475&h=681&ssl=1)
![南部細目組紋様細工の考案者である同社創業初代の長山三藏氏](https://i0.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2021iwate_nagayamakougei05.jpg?w=477&h=358&ssl=1)
![個人邸のために制作された青森檜葉の衝立 立体に浮かび上がる紋様が、見る角度によってさまざまな表情に変わり、衝立を透して差し込む光は木洩れ日を思わせるやさしさを帯びている 空間を程よく分け、光や風、そして季節の気配も取り入れる衝立は日本人の知恵と美意識の結晶だ](https://i2.wp.com/jbc-web.info/wp/wp-content/uploads/2021iwate_nagayamakougei04.jpg?w=477&h=319&ssl=1)
店舗情報
長山工芸
住所 | 岩手県二戸郡一戸町高善寺字古舘平37-9 |
電話番号 | 0195-33-3817 |
営業時間 | 8:00〜17:00 |
定休日 | 日曜日 |
ホームページ | https://nagayama-handicraft.com |