あらや滔々庵

北大路魯山人も逗留。
十八代の歴史を誇る老舗旅館
加賀山代温泉は、2025年で開湯1300年の歴史を刻む国内屈指の湯の郷だ。ご紹介する〈あらや滔々庵(とうとうあん)〉がお客様をお迎えするのは、この山代温泉の中心部。明治時代の共同浴場を復元した「古総湯」に新たな「総湯」、神社仏閣や旅館、足湯が古き良き温泉街の佇まいを残す「湯の曲輪(ゆのがわ)」と呼ばれるエリアの一角に建つ湯宿である。
同宿は、創業から380余年。藩政時代に加賀大聖寺藩前田家より湯番頭“荒屋源右衛門”の命を受けて以来、18代の湯歴を数える山代温泉随一の老舗だ。湯元ならではの豊富な湯量は一日約10万リットル。雅やかな加賀料理、心まで温める源泉かけ流しの名湯とおもてなしで、加賀の温泉文化を体験させてくれる。
歴史にその名を残す要人や文人墨客から愛されてきた同宿は、北大路魯山人が逗留したことでも知られ、山代温泉のシンボルマークにもなっている「暁烏の衝立」や、宿名を彫り込んだ篆刻看板など、大正時代の魯山人の作品をロビーや茶室風の展示室でご覧いただける。
山庭に面した客室は窓の外の緑が一幅の絵のように美しく、前田家の藩主や北大路魯山人も逗留時に使用した、加賀ならではの朱壁と漆塗の柱が美しい「御陣の間」、明治初期に天皇ご来館の命を受け、数年掛かりで釘一本も使わずに造られた築百数十年の建物を、離れの客室としてリニューアした特別室「有栖川」など、他では体験できない空間のご用意も。
旅のハイライトの一つでもあるお食事は、地元橋立漁港で水揚げされた日本海の幸、伝統的な加賀野菜や特産の果物など、恵まれた山海の幸の素材をふんだんに。九谷焼や山中塗りといった伝統工芸を手掛ける地元作家のものを中心に、代々受け継がれてきた骨董などを織り交ぜた器遣いもお料理と一緒にお愉しみいただきたい。
日本の四季の移ろいを五感で味わい、名湯に寛ぐ優雅な加賀の休日を、大切な方をぜひどうぞ。









店舗情報
あらや滔々庵
住所 | 石川県加賀市山代温泉18-119 |
電話番号 | 0761-77-0010 |
宿泊料金 | 2名様の場合 1名様53,800円~ (入湯税別。1泊2食付き) |
定休日 | 不定休 |
ホームページ | https://www.araya-totoan.com |