てんぷら 天白
すべてはより一層美味しく味わうために―。
常識を覆す低温で揚げる極上天ぷら
素材と油の奏でる軽やかな音、鼻腔をくすぐる香り。歯を当てるとさっくりと、そして口中に広がる瑞々しい四季の味—。ご紹介する〈てんぷら 天白〉の店主・鶴貝顕一氏の揚げる天ぷらは、まさに五感で味わう芸術品だ。
東京銀座をはじめ、名古屋や地元千葉の名店で20年の修業を重ね、2015年にここ〈天白〉をオープンさせた鶴貝氏が挑むのは、天ぷらは180度から200度の高温で揚げ切るという常識に対して、120度という低温で揚げる独自の境地。芋類に至っては何と60度まで落とすというから驚きである。
定番にこだわらず、旬に重きを置く素材は魚介から野菜に至るまで、一つひとつが吟味を重ねた逸品で、本人が直接豊洲市場に足を運び納得するものを仕入れることが大前提。素材の持ち味を最大限に引き出せるように、試行錯誤を重ねて編み出したのが低温調理だ。が、単に温度を落とすのではなく、衣の種類や配合、さらには素材の保管や下ごしらえに工夫があることは言うまでもない。
約13種類の天ぷらは海老ではじまり海老で終わり、火を入れて最初に供する海老と約一時間後に供する海老は、同じものとは思えないほどに味わいが違う。それは油の味が時間によって変化していくからに他ならない。まっさらの状態の太白油から、様々な素材を揚げることで、次第に味わいが複層化していく油の味や香りの変化と素材の組み合わせの妙も、是非とも味わっていただきたいものだ。
店は千葉市美術館が大通りを挟んではす向かいにあり、美しい街並みに暖簾を構える佇まいが、まさに極上の天ぷらを味わうために用意された大人の隠れ家を思わせる。昼の部・夜の部共に一斉スタートなので、時間は厳守。しかしながら、いずれも一回転のみなので、ひとたびお席に着けば、ゆったりと極上の時間をお過ごしいただけること請け合いである。
店舗情報
てんぷら 天白
住所 | 千葉県千葉市中央区本町2-1-21 石井ビル 1F |
電話番号 | 043-221-2505 |
営業時間 | 第1部 12:00開始 第2部 18:00開始 |
平均予算 | 20,000円 |
定休日 | 水曜日、木曜日 |
ホームページ | http://www.tenhaku.com/ |
※平均予算は税込み金額の目安です