発酵レモンのハニーソース よしの味噌株式会社

発酵レモンのハニーソース
よしの味噌株式会社

「不易流行」の精神を持ち、
新商品開発にチャレンジし続ける老舗の蔵元

　写真とタイトルを見ると、レモンの加工品をつくっている会社と思われるかもしれないが、ご紹介するのは、大正6年（1917年）創業の「よしの味噌株式会社」。広島県呉市では100年を超える老舗の蔵元だ。

　時代の変化と共にその食も変化してきた中、米の消費量と並行し、味噌の消費量も減り続けてきた。もちろん味噌メーカーとして、味噌の消費回復のために、関連した商品も多数手掛けてきたという社長の野間氏。しかし、思うようには業績回復はせず、会社としての存続も危ぶまれるほどになったという。そんな時にメールで届いた、ひろしま産業振興機構の「販売戦略塾」に藁をも掴む想いで参加。そこで、これまで固定観念に縛られていたことや、商品開発のためのコンセプトが無かったことに気づかされ、そこで学んだことを基本に、一から商品開発をやり直した。そして、「味噌＝発酵食品＝麹」「広島＝レモン」という、広島県と味噌メーカーの繋がりから、「レモンと麹」を使った加工食品の開発を始めたのだという。ちなみに国内でのレモンの生産量第一位は広島県である。

　そして、最初に開発したのが「広島れもん鍋の素」。当初は一般の問屋から「売れない」と見向きもされなかったが、安売りはせず諦めずに、販売先を高級スーパーや百貨店などに絞ったプロモーションを行い、同時に商品価値と魅力を伝えるために、自らブームづくりも行った。そのかいあって、雑誌、新聞、テレビやラジオなどの各メディアで取り上げられ、創業以来のヒット商品となった。2013年のことだ。

　現在に至るまでレモンに関連する商品を次々と発売しているが、中には失敗するものも多いという。そして、2021年3月に新発売した〈発酵レモンのハニーソース〉は、“味噌屋のつくる甘い商品”として評判となっている。

　「よしの味噌」は、創作工夫と遊び心を隠し味に、今後も新しい商品づくりを続けて行く。

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