神楽工房はしもと
文化財を後世へ伝える修復と
伝統技術を活かした製品を創作する
ご紹介する〈神楽工房はしもと〉は、二本松市で約130年続く「橋本仏具彫刻店」から、無形民俗文化財を含む伝統芸能などに使用される奉具の修復業に特化するために独立した工房である。これらの修復ができる人材は、国内に僅かしかいないという。
工房主であり、漆塗りや箔押しの技術を継承する橋本篤氏の元へは、歴史的にも価値のある神楽や太々神楽で使われる、お面や獅子頭などは無形民俗文化財として登録されている。貴重な品の修復から、山車や寺の寺額、神社の神額といった修復依頼も入る。
修復を行う際には、過去の塗膜や塗装方法を詳細に記録し、新しく塗り直す時には可能な限り昔の仕上げ方を再現させる。また、部分的な修復を行う際には、修復箇所とその周辺で色の違いによる違和感が出ないように、あえて汚れを加えることもあり、その修復技術は極めて高度なもの。
また、“祭りはふるさとそのもの”と捉える橋本氏は、修復を通じ、その地域の祭りや文化・信仰の伝統と継承、伝統芸能に関わる方々に貢献しながら、「ふるさとの魅力を次世代に繋げたい」という想いを大切に、先人の想いが込められた道具を出来るだけ長く使い、また次の世代に遺せるようにと、道具の扱い方や管理、保管方法などの指導にも尽力している。
他にも、「篤〜toku〜」という革製品のブランドを展開している橋本氏。甲冑(かっちゅう)を作製する際に使う漆の伝統技法「漆皮(しっぴ)」と、金箔を使う「箔押し」の技法を活かした製品は、革の質感を残しながら色漆で色付けされ、金箔やプラチナ箔があしらわれた味わいある美しい逸品。オーダーメイドも受け付けているので、詳しくはウェブサイトでご確認を。製品は同工房のウェブサイトの他に、「リュクレ石沢」、「お宿 花かんざし」でお求めいただける。
〈神楽工房はしもと〉は、日本古来から続く民俗芸能と伝統技術を守りながら、古の文化財を次の世代に引き渡し、「篤〜toku〜」で“新しき”を創作してゆく。
店舗情報
神楽工房はしもと
住所 | 福島県二本松市竹田1-167 |
電話番号 | 0243-24-5282 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 不定休 |
ホームページ | https://kagura-koubou.com |