茶懐石 昇月

茶懐石 昇月ちゃかいせき しょうげつ

自ら育てる信州の土の恵みをふんだんに
風雅な空間でゆっくり味わう茶懐石

　北アルプスからの澄んだ風が美しい里山に吹き渡る安曇野は、野趣あふれる食の宝庫だ。店主・橋本良正氏が奥様と2人で切り盛りする〈昇月〉は、この安曇野にお客様を迎える数寄屋造りの風雅な店。信州の四季を宿した滋味あふれる茶懐石を目と舌で、ゆっくりと味わっていただこう。

　橋本氏は兵庫県たつの市出身の料理人。和食の名店・吉兆に入店し修業を重ねる中、くろよんロイヤルホテル内の系列店へと転勤になったことが、長野との縁の始まりに。そして、水の美しさ、野菜、果実、キノコや山菜といった地元信州の食材の豊かさ、美味しさに衝撃を受けたことが、この地での開業のきっかけとなる。ご夫婦共に長年茶道の心得があり、いつかは茶事に関わる仕事がしたい、茶事の文化を次世代へと伝えていきたいとの想いがあった。供する料理が、侘び・寂びの心を料理を通して表現し、真心と手間をかけてお客様をおもてなしする茶懐石であることは、ごく自然な流れであったと言えるだろう。

　また、橋本氏は畑で汗をかく料理人でもある。世界中から美味しいものを集めるのではなく、地元で採れる旬の素材を大切に。それは土地に根差した素材と旬を大切にする茶の心にも通じるものだ。奥様の妊娠もきっかけとなって始めた小さな畑は今や300坪を超え、無農薬露地栽培の野菜は、北アルプスの伏流水と肥育な土の栄養たっぷりで、素材そのものの生命力あふれる味がする。手塩にかける食材はどんどん増えて、地元産の素材を使った味噌や醤油をはじめ、今では養鶏、米作りも手掛けている。

　コース料理は1万円から4万5千円までふり幅をもうけているが、それは、普段懐石料理に縁のない若い方達も記念日に利用できたり、普段よりほんの少し背伸びをして思い出の時間を作っていただけたら…というご夫妻の願いから。

　店を建築中のある夜、目の前の向山から昇る月が美しく、そこから〈昇月〉の屋号がついた。ああ、美味しかったね…としみじみと月を見上げる感動を、大切な方を伴ってあなたもぜひに。

店舗情報

※前日までにご予約がない場合は休みとなります。
※平均予算は税込み金額の目安です