藤山建築デザイン事務所
デザインによって
人の想いを叶える建築家
同社代表で一級建築士の藤山信博氏は、個人邸であれ大規模な施設であれ、見た目だけのデザインに終始することはない。まず、幸せに誘う仕組みのデザインを考えることが、氏のスタイル。さらに、「建築とは空間の体験である」という考えが設計思想の根幹にあり、オーナー様をどのような体験に導くのかを常に模索。建物へのアプローチの仕方や、空間の明暗差、高低差、広狭差を利用することで、実際より空間を広く、高く感じさせている。
また、“思い込みを捨ててみる”ことで、人を幸せにする真のデザインを提案することも、氏の得意とするところ。空間や仕組みから考えるデザインは個性的になるかもしれない。が、それは愛着が生まれる建築となり、この愛着こそが、幾世代にも渡ってずっと利用していきたい…との持続性に繋がる大きな要素になるはずだ。
見開きページでご紹介するのは、30代前半でお子様が一人いるご家族のための家。一年半を費やしてオーナー夫妻と一緒に探した約30坪の土地は2方向が急勾配の狭小変形地。しかしながら国有林の緑に恵まれていて、“気持ちよく暮らしたい”というオーダーを受けた藤山氏は、外部からは閉鎖的に見えるが、内部は各部屋から眺望が開けた開放的な空間構成を提案。家族が集うリビングには借景を活かす東側に大開口の窓を配置しているが、 “緑の輝き”が引き立つように視線の邪魔になるものは徹底的に排除し、天井・壁・床は白系でまとめ、枠なしFIX窓や網戸を隠すための木製引き戸をオリジナルデザインで製作している。
一般的に広い開口部を設けることが定石とされている南側には民家が密集。そこで、あえてそこには壁を広くとり、採光と通風のみを目的にした縦長のルーバー窓にしたのも、思い込みをやめるという藤山氏の発想があってこそ。「朝の木漏れ日が、格別に美しい」と、オーナー夫妻もお気に入り。
「住宅という建物ではなく住まいという生活をデザインしたい」と藤山氏。家族が自然と集まる場が氏の設計によって誕生した好例だ。
配線や収納等も細部まで検証されているので、空間全体が、非常にシンプルで美しく、しかも使いやすい。住宅街の狭小地に建つ家とは思えない豊かな広がりがここにはある。
こちらでご紹介するのは広島県廿日市市のギャラリーカフェ「BB:geek」。1階はカフェ。各上階はスターウォーズ、エイリアンなどのレアなコレクションが揃うギャラリーで、映画のストーリーになぞられた動線と空間づくりが特徴的。スターウォーズの物語が始まる砂漠の惑星をイメージした砂の外観から半階下る狭いスロープは、ダークな大空間へとつながり、高揚感を生み出す。それはまさに宇宙へのアプローチだ。この大空間は各ギャラリーフロアが弧を描きながら半階ずつ重なり合って上階へと続き、特に1階カフェから見上げるフロア群はリズミカル。いずれのフロアからも他フロアが見えて興味をそそられ、自然と上階へと誘う仕掛けだ。フロアが重なり合わない中央にある三角形の吹き抜けからは同じ形の天窓から陽光が差込み、幻想的な空間を演出している。
店舗情報
藤山建築デザイン事務所
住所 | 広島県広島市佐伯区利松1-17-4 |
電話番号 | 082-299-7321 |
営業時間 | 9:00~18:00 |
定休日 | 土曜日・日曜日・祝日 |
設計・監理エリア | ・全国 ※詳細につきましてはお問い合わせください |
ホームページ | http://www.fujiyama-design.jp |