鮨 宮田

鮨 宮田

全国で旬を迎える新鮮な食材で握る
上品で美しい鮨をコースで堪能できる店

　和歌山県庁の道向かいにある和歌山県民会館。そのすぐ西隣りの筋を入ったところに建つビルの1階に、ご紹介する〈鮨 宮田〉がある。ここは、「ミシュランガイド京都・大阪＋和歌山 2022」で一つ星店として掲載されているので、ご存知の方も多いだろう。

　店主の宮田徳史氏は大阪枚方の出身。地元大阪や和歌山県内の鮨店、割烹店で研鑽を積み、30歳の時に独立。最初はアラカルト中心の店を営んでいたが、小肌の魅力に惹かれ、何か専門店がしたいという思いから、2016年の移転を機に、現在の場所で〈鮨 宮田〉を開業した。

　店の入り口は、外から直接見えないよう畳1帖ほど奥に入った先に引戸がある。店内には9席が横並びに配された吉野檜の長いカウンターが設えられ、板場に立つ宮田氏が気持ちよく迎え入れてくれる。

　店で愉しめるのは全国で旬を迎え、その日最高となる食材を使ったおまかせコース。ネタの仕込みには江戸前の仕事を活かしながらも、そこに捉われることなく自由な発想で新しいことにも挑戦している。シャリには米酢と赤酢の合わせ酢で酸味を抑え、まろやかに仕上げる。おまかせコースは季節を感じる八寸などを含め、つまみ7品前後に握り12貫ほどが味わえる。ボリュームがありそうだが、シャリが小さめなので全て食べても心地よい満足感で満たされる。生姜と蓮根のスライスのガリと芽生姜を乱切りしたガリが出てくるのも珍しい。

　酒類には、和歌山の地酒を中心に全国から厳選した、握りや料理を引き立てる銘柄を用意しているので、お好きな方はぜひご一緒に。お好みに合わせたお酒も提案してくれるので、どうぞお気軽に。

　明治期の貴重な古伊万里の器や若い作家の新しい感性が息づく器も愉しみながら、旨い鮨と料理とお酒を堪能するために訪れたくなる〈鮨 宮田〉。どなた様をお連れしても満足していただける鮨の名店である。

店舗情報